裁判編

ISSUE.3
公道の
違法占拠

目次

本件記事には、村田養豚場が、村田養豚場に隣接する里道に立入禁止の看板を立て、また、里道を通行しようとする者を恫喝することによって、里道を違法に占拠しているとの内容が記載されている。

看板を立てていた経緯については、平成23年、村田養豚場が、家畜伝染予防法に基づく衛生管理区域に指定されたことから、村田養豚場に隣接する里道を含めて、奈良県家畜保健衛生所の指導により立てたものである。そして、同看板は、平成28年には撤去されている。

このような経緯で看板を立てていたものであるが、村田養豚場は、県からの指導により看板を立てていたに過ぎず、その責任は村田養豚場にはない。にもかかわらず、村田養豚場が「違法に」公道を占拠しているという記載は、真実とは異なる。

さらに、村田養豚場が、里道を通行しようとする者を恫喝していたということについては、かかる事実は存在しない。そもそも同里道を通行する者はほとんどおらず、管理者である奈良市及び木津川市の管理が行き届かずに放置されたため、現在通行できない状態となっているに過ぎない。村田養豚場としては、同里道付近で道に迷っている通行人を、養豚場の従業員が車で目的地(岩船寺等)へ送り届けるなどの対応をしているものであり、本件記事のように通行人を恫喝しているなどと論難されるいわれはない。

したがって、本件記事の内容は、真実とは異なる事実を適示したものであるといわざるを得ない。

1)村田養豚場は現在も公道上で日常的に作業をしている。

村田養豚場(村田畜産/村田商店)は現在も、養豚場の敷地の間にある、奈良市あるいは木津川市の市道上で、日中頻繁に、重機を用いた作業を行っている。とりわけ奈良市東鳴川町641土地と木津川市加茂町西小長尾谷6土地に挟まれた区間では、市道上で、運搬トラックを路上に停めての食品残渣の荷下ろし、路上に多数並べられた食品残渣の入ったドラム缶をフォークリフトで持ち上げ、ミニタイヤショベルのバケットに食品残渣を注ぎ込む作業、水を使ったドラム缶や重機の洗浄など、様々な作業が、断続的に、長時間行われており(乙59)、今なお村田養豚場の敷地の間にある市道は、安全に通行できる状況にはない。

市道上で作業をする村田養豚場従業員

市道上で作業をする村田養豚場従業員

すなわち、村田養豚場の敷地の間にある市道の現状は、本件記事において紹介した奈良交通のメールにある下記の状態から全く改善していない。

実際、浄瑠璃寺への道がどういった状況であるのかを確認いたしましたところ、道が途中で養豚場の敷地内に進入し、作業用の重機も往来しており、だれが見ても「これ以上奥へ進めない」状況であり、このような状況でお客様への案内に「浄瑠璃寺南口」は不適切であると判断した

2)村田養豚場の放し飼いの犬及び村田養豚場が餌付けしている野犬は通行の妨げとなっている。

1)で指摘した作業が行われていない間も、市道上あるいはそのすぐ近くに、常に数匹から10匹ほどの放し飼いの犬がいるため(乙60)、一般市民が市道を通行することが困難となっている。

村田養豚場による放し飼いの犬が恐怖を与え得るものであることについては、木津川市の平成19(2007)年第2回定例会における生活環境部長の答弁によっても指摘されている(乙6-6頁)。

◯生活環境部長(木下強)生活環境部長でございます。再度のご質問にお答えいたします。まず、犬の放し飼いの件でございますけれども、確かに私も年間数回現地を見に行ったりいたし、西小の方から重要河川をさかのぼって行けるところら辺までも行ったりという形でのことをしておるところでございます。上まで行きますと、数匹の犬がかなり意気込んで私たちの方に寄ってきますので、非常に恐怖を感じることでもあります。

また、京都府山城南保健所は、平成28(2016)年3月1日に村田養豚場を抜ける市道を現地確認した際、現地の状況を次のように評価している(乙42)。

浄瑠璃寺〜村田養豚までの里道において、多数の犬の足跡が認められた。

また、複数の徘徊犬(少なくとも4頭)が京都府内の里道を徘徊していた。

村田養豚場内では多数の犬が放し飼いにされており、これらが里道の上から吠えかかるため、里道を通行することができなかった(元の道を戻りました)。

<略>

上記里道については、例え家畜伝染病予防法の「衛生管理区域」の対象外となったとしても、多数の徘徊犬が存在しているため、一般人が通行することは困難であると考えます。

先に検討したように、放し飼いの犬についても、現在、状況は上記から全く改善していない(乙60)。

3)村田養豚場は市道を通行しようとする人を脅したり制止することがある。

  1. 平成27(2015)年11月13日の奈良市保健所への通報(乙40)。

    • 昨日(12日(木))の午前中に、木津川市から奈良市にかけての里道を通り、奈良市側の養豚場の傍まで行ったところ、6〜7匹の犬の取り囲まれて咬まれかけた(咬まれてはいない)。養豚場の人が出てきたが、「勝手に入るな」と叱られただけで犬については何もしなかった。養豚場は奈良市の管轄であろうが、犬は京都府の浄瑠璃寺あたりまで来ている。なんとか対応してほしい。養豚場の人にかなり脅されたので名前は言いたくない。
  2. 平成29(2017)年7月10日の木津川市まち美化推進課への通報(乙47)。

    • 昨日弥勒の道を歩いて村田養豚場付近まで行ったところ、複数の犬に取り囲まれ吠えられ怖い思いをした。養豚場から出てきた人に「入るな」とも言われた。(当会代表は該当する人物が思い当たらないが、「弥勒の道プロジェクト」のウェブサイトを見て、道を歩いてみたものと思われる。)

以上1)〜3)はいずれも奈良市法定外公共物の管理に関する条例第3条に反し、違法である(乙78)。

(行為の禁止)
第3条
何人も、法定外公共物の保全又は利用に支障を及ぼし、又は支障を及ぼすおそれのある行為をしてはならない。

奈良市法定外公共物の管理に関する条例

なお、奈良市公有財産規則第18条に「教育委員会及び部長は、その所管に属する土地の境界が明らかでないため管理に支障がある場合には、隣接地の所有者と協議のうえ、境界線上の主要な箇所に永久境界標を設置するとともに、土地境界確認書を作成しなければならない」との規定がある(乙79)。したがって、村田養豚場の敷地の間にある奈良市道について現状「土地の境界が明らかでないため管理に支障がある」のは明らかであるから、奈良市建設部長は境界確定を行う義務があると考える。

(境界確定の協議等)
第18条
教育委員会及び部長は、その所管に属する土地の境界が明らかでないため管理に支障がある場合には、隣接地の所有者と協議のうえ、境界線上の主要な箇所に永久境界標を設置するとともに、土地境界確認書を作成しなければならない。

奈良市公有財産規則

また、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は「そもそも同里道を通行する者はほとんどおらず、管理者である奈良市及び木津川市の管理が行き届かずに放置されたため、現在通行できない状態となっているに過ぎない」とするが、以下のとおり、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が長年にわたって実質的に市道(里道)の通行を妨げてきた実態がある。

  1. 平成14(2002)年から平成20(2008)年にかけ、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は市道を含む山林を掘削し続けた。掘削工事によって里道は跡形もなくなり(本件記事FACT.1)、通行が躊躇される状況であった(本件境界確定経緯参照)。
  2. 平成19(2007)年ごろから平成24(2012)年ごろにかけ、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は市道上に建築物を設置し続けた(本件境界確定経緯参照)。
  3. 平成23(2011)年から平成28(2016)年にかけ、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は市道を含めて衛生管理区域であるとして、市道上に立ち入り禁止の立て札を立てていた(村田養豚場(村田畜産/村田商店)自身本件訴状で認めている)。
  4. 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は二十数年前から村田養豚場周辺で犬を放し飼いにしており、この間現在に至るまで、京都府山城南保健所が「一般人が通行することは困難である」と評する状況(乙42)を継続してきた。

村田養豚場(村田畜産/村田商店)が物理的に市道の通行を妨げていた期間だけを数えても、その合計は実に14年におよぶ。元の市道が掘削工事によって村田養豚場(村田畜産/村田商店)に跡形もなく損壊された上に、その後もこれだけの期間にわたって村田養豚場(村田畜産/村田商店)が市道の通行を妨げてきたわけであるから、たとえ村田養豚場周辺の市道が荒廃していたとしても、その責任の大部分は村田養豚場(村田畜産/村田商店)にあると言えよう。

そもそもこうした里道は隣接所有者の協力によって維持・修繕されるのが通例である。実際、木津川市加茂町西小地区では、現在でも毎年9月に、浄瑠璃寺から赤田川近くの林の出口付近までは、市道の草刈りをして、次の夏まで歩行に支障がないよう道を整備している(乙61)。しかしその先の、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が平らにした土地を通る市道については、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が放し飼いにしている犬が多数寄ってくるため、草刈りを断念し引き返しているのが実情である。

一方、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が西小地域の草刈りに協力したり、地域の草刈りに合わせて自発的に、赤田川北側の市道で草刈りをした事実はない。これは「奈良を代表する」ブランド豚を生産する農場としていかがなものか。どのような事情があれ、市道を破壊したうえ、長年の通行妨害によって市道の荒廃を進めたのは村田養豚場(村田畜産/村田商店)なのであるから、木津川市等の市道管理責任を問う前に、村田養豚場(村田畜産/村田商店)には、草刈りなどの市道の整備に協力する道義的責任があろう。市道が草むらに覆われがちなのは、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が山林を掘削して平らにした、赤田川北のほんのわずかな区間にすぎない。村田養豚場(村田畜産/村田商店)には、道に迷った人を車に乗せるよりも、その区間を草刈りして整備に努めた上で、わかりやすいところに道案内の立て札を立てることをぜひともお勧めしたい。

しかしながら最近になっても、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の意を受けていると見られる奈良県が、京都府なども通じて、木津川市に対し、防疫のため市道を封鎖して柵を作ることを認めるよう、執拗に要請している。市道の封鎖は違法であることから、現在のところ木津川市はこれを拒絶しており、もし必要であるなら、原因者である奈良県が地元に説明をするよう求めている。本件境界確定経緯や、先に述べた村田養豚場(村田畜産/村田商店)による長年の通行妨害を鑑みれば、木津川市が市道の封鎖を拒絶することは当然と言える。

先に村田養豚場(村田畜産/村田商店)による犬の放し飼いを検討する中で、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の衛生管理が劣悪であることに触れたが、奈良県がそうした状況を放置する一方で、木津川市道の封鎖にばかり熱心なのにはあきれるほかない。平成23(2011)年から平成28(2016)年にかけて市道を立ち入り禁止にしたのと同様、防疫を理由に再び市道を封鎖しようと画策する、奈良県のこのような動きには強い憤りを禁じ得ない。

  • 平成31(2019)年3月19日、赤田川の水質汚濁にかかる連絡調整会議で京都府が以下のように発言(乙62

    • 奈良県も、できれば県境付近の養豚場でも事業所を囲み対策を取りたい意向があるようだが、木津川市から指導が入り、囲むのは認められないと言われていると聞いている。
  • 平成31(2019)年3月27日、木津川市農政課との協議において奈良県畜産課長桜木が以下のように発言(乙63)。

    • 村田養豚場の敷地は木津川市に跨っているのと市道があり、市道を封鎖し柵を設置したい。
  • 平成31(2019)年4月17日、奈良県畜産課を訪問した木津川市に奈良県畜産課長溝杭が以下のように発言(乙64)。

    • 奈良県も本日、当該養豚場周辺に電気柵を設置したが、里道部分についてゲートを設けるなどの対応が取れないか検討してほしい。
  • 平成31(2019)年4月26日、奈良県畜産課長溝杭が木津川市を訪れ以下のように発言(乙65)。

    • 農場を柵で囲い込むことから市道を封鎖することになり、扉を市道の両端に設けたい。

なお、木津川市は令和元(2019)年5月7日、この件について京都府警木津署と協議している。このとき木津署交通課は「公道を遮断し、通行権を制限するには相当の事情が必要と考える。電気柵設置でイノシシ等野生動物の侵入を防ぐのであれば、豚舎等養豚場施設のみを包囲し、公道部分を解放することができるはずである。施設への出入りが不便になるという言い分は、申請者の身勝手である」と指摘している(乙75)。

犬の放し飼い 公道の占拠(FACT.2)のうち、争点とすべき記事内容

本件記事において、重大なる虚偽事実の摘示は、次の部分である(下線は、本書面にて、重要部分に付したもの)。

  1. 「村田養豚場は、2012年ごろから、通行人を含め、あらゆるじゃまものを衛生管理区域を理由に遠ざけてきました。」(17頁12行目~13行目)。

  2. 「ところが村田養豚場は、この道は私道であるから・・・しばしば通行人を脅しています。」(23頁5行目~6行目)。

  3. 「下記は2015年10月ごろに、・・・しかしよく平気で嘘がつけるものだと感心しています。」(23頁8行目~24頁)。

  4. 奈良県家畜保健衛生所の職員は、村田養豚場を指導した際、木津川市に対し「私道だから通れないと言え」と要求され、・・・伝えたのです。」(25頁6行目~7行目)。

  5. 「しかも奈良県家畜保健衛生所は、・・・実際に職員が村田養豚場による通行妨害に協力しています。下記は・・・奈良県家畜保健衛生所が村田養豚場に言われるまま、公道の通行妨害に加担してきた」(26頁3行目~7行目)。

  6. 「以前から東鳴川の人に・・・ふつうの人は通行を断念してしまうにちがいありません。」(26頁8行目~27頁)。

以上、キ乃至シで記載されていることをまとめると以下のとおりとなる。

==村田養豚場は、接豚場の敷地の間にある公道(里道)を「衛生管理区域」を理由に占拠し続けてきた。

村田養豚場は、里道を通行しようとする者に対して、恫喝をし、罵習雑言を浴びせ、名前や住所を要求したりすることで、通行を諦めさせるような行為を続けていた。

このように、村田養豚場は、公道の占拠、犬の放し飼いという不法行為を行ってきたが、奈良県家畜保健衛生所は、村田養豚場の言いなりであり、適切な指導をしようとしない。==

公道の占拠について

(1)当会代表は、本件記事の中で、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が、衛生管理区域を理由として、養豚場敷地の間にある里道や、養豚場周辺の公道から通行人を排除しようとし、恫喝するなどしていたと記載している。しかし、かかる記載も真実ではない。

(2)村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、当会代表が本件記事の中で主張するように養豚場敷地間の里道を通行しようとする者を恫喝してその通行を妨害したことなどない。訴状でも主張しているとおり、道に迷ったと思われる観光客に対して道案内をしたり、ときには、車で目的地へ送ったりしていたものである。

(3) 村田養豚場(村田畜産/村田商店)が、養豚場周辺の里道を通行しようとする者に対し、声をかけたとすれば、それは当会代表本人かその関係者であると思われる人物に対してのみである。

先に述べたとおり、ククリワナにかかった犬の関係で、当会代表は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)従業員に犬を助けさせ、その際に撮影した写真を用いて、あたかも村田養豚場(村田畜産/村田商店)が飼育する犬が広範囲を徘徊しているかのような本件記事を作成している。このことは、当会代表が村田養豚場(村田畜産/村田商店)従業員の行為をを悪意を持って利用しているとしか考えられない。

このような事態を受けて、村田養豚場(村田畜産/村田商店)としては、当会代表から今後また同じように、虚偽事実を記載した記事をインターネット上に掲載されてしまうのではないかという危惧が生じ、当会代表及びその関係者が養豚場周辺に近づいてくるのを確認した際には、名前を聞いたり、「何をしているんだ。」と声を掛け、警戒することはあった。

本件記事に、第三者の証言という体裁で記載されている部分については、当会代表本人の体験を記載しているものであると考えられる。しかし、それは、養豚場に 関し、村田養豚場(村田畜産/村田商店)従業員が当会代表に利用され、虚偽事実をインターネットに掲載されたという経験から、当会代表が養豚場に近づくことを警戒してのことであり、公道を通行する人を妨害したということとは、全く次元の異なるものである。

また、本件記事によれば、罵詈雑言を浴びせたということや、いつ殴りかかられるような事態が起きないか等、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が相当な恫喝を行っているような記載がされているが、そのような事実はない。あくまでも、前述の経緯を踏まえ、当会代表が養豚場へ近づくことを警戒していたに過ぎない。

(4)以上のとおり、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、養豚場敷地の間の距道及びその周辺の公道に関し、通行人を恫喝し、妨害したことなどないにもかかわらず、あたかも全くの第三者たる通行人を恫喝し、何人も寄せつけようとせず占拠しているかのような内容を記載した本件記事は虚偽事実であるといえる。

公道を見捨てる奈良市行政(FACT.3)のうち、争点とすべき記事内容

  1. 「奈良市土木管理課は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)により奈良市の認定市道が占拠されていることを知りながら・・・何もしようとしません。」(29頁本文1行目~4行目)。

  2. 「・・・奈良市の公道である村田養豚場の敷地の間にある里道を、村田養豚場が不法に占拠している・・・」(29頁5行目~6行目)。

  3. 「厳然たる事実として、村田炎豚場では今や日常的に公道が作業場となっており、公道の不法占拠が続いています。」(31頁7行目~8行目)。

  4. 常に重機やトラックが公道上を右往左往し公道の真ん中で従業員が豚のエサとなる残飯の仕分けなどを行っています。」(32頁左上部)。

  5. 「橋の向こうは他人地ですが、村田養豚場により犬小屋や山小屋が建てられています。」(33頁左上部3行目~5行目)。

  6. 残飯の扱いがずさんなため、・・・カラスが大量に繁殖し、・・・田畑を荒らしています。」(33頁右上部1行目~3行目)。

  7. 「つまり、公道であるはずの里道が敷地の一部にしか見えない状況ということです。それも、長年親しまれたバス停名を代えなければならないほどの状況です。 ・・・違法な公道占拠が放置されていることを示す重要な証言です。」(46頁 21行目~24行目)。

以上、ア乃至キで記載されていることをまとめると以下のとおりとなる。

==村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、養豚場の敷地の間にある里道を、恒常的な重機、トラックの往来や、作業場とすることにより違法に占拠している。また、他人地にも犬小屋や山小屋といった施設を建て、また、残飯の処理がずさんなため、カラスの大量繁殖等が起こり、周辺の田畑に被害が及んでいる。

村田養豚場(村田畜産/村田商店)による、里道の占拠が原因で、かつての「浄瑠璃寺南口」バス停は、「中ノ川東」バス停へと改名をせざるを得なくなった。行政は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)のこのような 違法な占拠に対し、里道と養豚場敷地との境界が確定していないことを理由に 何もしようとしない。==

里道の占拠について

(1)当会代表が主張する里道は、確かに養豚場敷地の間に存在しており、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の電機やトラックが往来をすることはある。里道を挟んで養豚場敷地が存在している以上、養豚場経営において、里道を重機やトラックが通行することそれ自体は避けがたいものである。

(2) しかし、本件記事で記載されているように、常に重機やトラックが公道上に存在していたり、公道のど真ん中で作業をしていたりという事実は存在していない。

当会代表が主張する里道の左右には確かに養豚場関係の物が置かれていることはあるが、公道を塞ぐ形では置かれていない。里道と養豚場敷地の境界が確定されて いない中、村田養豚場(村田畜産/村田商店)としては、里道を全て塞ぐようなことはせず、あくまでも通行することが可能な幅を確保しているものである。

そうであるにもかかわらず、常に養豚場の重機、トラックが里道上にあり、または、里道の真ん中で作業をしているため人が通行することができないかのような記載をしている本件記事については、虚偽事実の摘示であるといわねばならない。

(3)また、当会代表は、本件記事の中で、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の残飯処理がずさんなためカラスが大量発生し、近隣の田畑に被害を及ぼしているかのような記載をするが、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は適正に残飯の処理をしているし、養豚場が原因がカラスが繁殖していること、さらには、それが近隣の田畑に被害を及ぼしているということについて因果関係が不明であるにもかかわらず、養豚場が原因であるかのように決めつけ記載している。これも虚偽事実の記載である。

バス停の改名について

(1) 当会代表は、本件記事の中で、「浄瑠璃寺南口」バス停が、「中ノ川東」バス停に改名された経緯について、当会代表と奈良交通株式会社とのメールのやり取りによれば、浄瑠璃寺へ続く本件里道が、途中で養豚場内に侵入し、誰が見てもこれ以上奥へ進めない状況にあることから、「浄瑠璃寺南口」という名前が適切ではないと判断したためであるとしている。

そして、このメールの内容を受けて、当会代表は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が本件里道を違法に占拠していることを示す証言であると結んでいる。しかし、かかる内容も、当会代表の意見が強く反映されたものであり、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が里道を違法に占拠しているという事実はないにもかかわらず、断定するような記載をされているという点で虚偽事実の記載である。

(2)村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、里道を占拠するようなことをしていないのは前記のとおりであるが、そもそも、里道が隣接している施設が養豚場ということそれ自体が、一般人をして通行しにくいと感じさせる要因となっていると考えられる。

つまり、村田養豚場(村田畜産/村田商店)としては、養豚場の経営の中でも、里道は通行できるよう里道上に恒常的に設備を置いたりはしていないが、養豚場という性質上実際に通行をするということははばかられてしまうような状況があると思われる。

そうした状況から、バス停の名称として「浄瑠璃寺南口」という名前は不適切であり、「中ノ川東」という名前に改名をしたのではないかと考えられる。

(3) したがって、あたかも村田養豚場(村田畜産/村田商店)が原因となってバス停名を改名せざるを得なくなったように記載する本件記事は、虚偽事実の記載があるといえる。

公道の占拠(FACT.2)について

(1) 前述の通り、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の主張する、ククリ罠にかかった犬を助けた経緯は、事実と異なる。

(2) 当会代表は確かに、ククリ罠にかかった犬に関する記述がある記事「浄瑠璃寺裏の養豚場」をインターネット上に公開したが、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が記事の公開から間をおかず、当該記事の存在を知ったとは思われない。

ア 「弥勒の道プロジェクト」のウェブサイトは、狭い地域のマニアックな話題を取り扱っているため、1日あたりのアクセス数は全体で10〜20件ほどである。個別記事となると日々のアクセスはほとんどなく、まして観光地でも文化財でもない養豚場について書かれた当該記事へのアクセスは、非常に少なかった。

当該記事は、元々は、平成26(2014)年2月1日ごろ、浄瑠璃寺から東大寺まで、現在、京都府と奈良県の府県境にもなっている古い道を紹介する、全体で14ある一連の記事の一つで、当会代表は、当該記事に、養豚場の敷地の間にある木津川市道を通り抜ける上で注意するべきことなどを記載していた。

その後当会代表は、平成26(2014)年2月11日に、ククリ罠にかかった犬を見つけたので、そのことを、当会代表の率直な感想とともに、当該記事に追記した。道を安全に通行するためには、周辺に徘徊犬がいる可能性があることを、あらかじめ知っておいた方が良いと考えたためである。それ以降も当会代表は、新たに判ったことで、村田養豚場の敷地の間にある木津川市道を通行するにあたり知っておいた方が良いと思われる事柄については、折に触れ当該記事に追記していった。

しかし、当該記事では「村田養豚場」という固有名詞は使っておらず、上記の通り、もともとアクセスの少ないウェブサイトであったので、インターネット上の検索エンジンで、村田養豚場(村田畜産/村田商店)に関連するキーワードで検索しても、当該記事が検索結果に表示されることは、まずなかったと思われる。

また村田養豚場(村田畜産/村田商店)が、「弥勒の道プロジェクト」が取り扱う話題に関心があるとは到底思われないため、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が偶然「弥勒の道プロジェクト」のウェブサイトを閲覧し、当該記事をみつけるということもあまり考えられない。

イ 村田養豚場(村田畜産/村田商店)の指摘する「シ」(甲2ー26頁3行目〜7行目)は、当会代表第1準備書面6頁で述べたとおり、当会代表自身の体験を記載したものである。

当会代表は実際に、〈村田商店代表乙の父〉から「今度ここを通ろうとして里道から少しでもはずれたらどうなっても知らんぞ」と恫喝された。ただしこれは、正確には、平成27(2015)年11月4日のことであった。

(ア) このとき当会代表は、〈村田商店代表乙〉から、以前何回か通ったことがあるのではないかといったことは聞かれたが、当会代表は、〈村田商店代表乙の父〉、〈村田商店代表乙〉のいずれからも、当会代表がインターネット上に公開した記事については何も言われていない。

(イ) 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、このときの当会代表とのやりとりの中で、当会代表が村田養豚場(村田畜産/村田商店)に犬を繋ぐように言ったことがよほど腹に据えかねたらしく、16時45分ごろに当会代表が立ち去った後すぐ、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は17時過ぎに京都府山城南保健所に電話をし、「先日、数名の人が養豚場にやってきた。目的は道の整備のためとかで、草刈り等をしていった。その際に、犬を繋ぐよう言われた。確かに犬が放たれており、その人たちに吠えかかったが、特に咬むような犬はいない(咬みそうな犬は繋いでいる)。安易に犬を繋げというが、ここいらにはイノシシが多く出没する。犬が放たれて場内を歩いているからイノシシにとって脅威となって近寄らないが、もし犬を繋いだら場内を好きに荒らされるだけでなく、犬が襲われる危険もある」と主張している(乙39)。同様の主張は、当会代表も現地で、〈村田商店代表乙の父〉あるいは〈村田商店代表乙〉から聞かされた。

これに対し、山城南保健所は「公道を通る際に犬に吠えかかられては、通行者が脅威を感じることは当然である。イノシシの害は理解できるが、人に危害を与えないよう係留は必要なことと思われる」と答えている(乙39)。

このとき村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、なぜか当会代表が数人で草刈りをしていたと思ったようだが、実際にはこの日当会代表は一人で草刈りをしていた。ただし、浄瑠璃寺から村田養豚場手前の林の出口までは、毎年9月中旬に地元西小地区の草刈りがあるので、その区間については、当会代表が草刈りをする前から、すでに草刈りが終わった状態であった。

しかし、地区の草刈りでは、毎年、浄瑠璃寺から林の出口までは草刈りされるものの、村田養豚場周辺の徘徊犬が増えて以降、林の出口あたりで草刈りをしていると、多数の徘徊犬が寄ってくるようになったため、そこから先は草刈りを断念して、来た道を引き返している。当会代表は、その林の出口から、橋のあたりまでの草刈りをして、道を繋げただけである。

村田養豚場(村田畜産/村田商店)としては、浄瑠璃寺から林の出口までを含めると、一人で草刈りをするには範囲が広いので、数人で来て草刈りをしていたに違いないと考えたのかもしれない。

ところで山城南保健所の報告書(乙39)からは、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が怒りで興奮した様子で電話をしてきたことがうかがえるが、このとき村田養豚場(村田畜産/村田商店)は「弥勒の道プロジェクト」の名前を出していない上、以前インターネット上に嘘の記事を書かれたとも訴えていない。もしこの時点で、当会代表が「弥勒の道プロジェクト」名義でインターネット上でも活動していることを、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が知っていたとすれば、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が京都府山城南保健所に苦情を申し立てる際、「弥勒の道プロジェクト」を名指ししなかったことは不自然である。

ウ 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は平成28(2016)年3月ごろから、行政に対して「弥勒の道」という名前を口にするようになった(乙92)。したがって、村田養豚場(村田畜産/村田商店)はこのころになって、公文書公開請求により、当会代表が行政に対して送っていたメールを入手し、当会代表が「弥勒の道プロジェクト」名義で活動していることを知ったものと考えられる。

なお、当会代表は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)による刑事告訴に係る、村田養豚場(村田畜産/村田商店)関係者や市議会議員に送った手紙では、「村田養豚場から赤田川と周辺環境を守る有志の会」を名乗っており、「弥勒の道プロジェクト」とは一切名乗っていない。しかし、行政機関に送ったメールでは、差出人メールアドレスが「弥勒の道プロジェクト」名義のものとなっていた(甲9ー6頁)。

以上ア乃至ウから、「当会代表から今後また同じように、虚偽事実を記載した記事をインターネット上に掲載されてしまうのではないかという危惧が生じ」たとする村田養豚場(村田畜産/村田商店)の主張には疑問がある。村田養豚場(村田畜産/村田商店)が、「弥勒の道プロジェクト」のウェブサイトに掲載された記事を、その公開直後から知っていたとは、到底思われないからである。

(3) 村田養豚場(村田畜産/村田商店)が通行を拒絶したり、通行人を恫喝していたことは、行政への相談や通報として、報告書が残されている。

ア 京都府山城南保健所の平成26(2014)年4月28日付け連絡事項処理用紙「養豚場周辺のウォーキングについて(第2報)」に、「4/26(土)にウォーキングをする木津川市加茂町の人が村田養豚場に電話したところ、『浄瑠璃寺から村田養豚場への道は入られないことになっている』と言われた」とある(乙96)。

イ 平成26(2014)年5月23日、「加茂の水と緑を守る会」(乙97の1)が木津川市長に提出した「養豚場に関しての申し入れ書」に「現状は『市道』に立ち入ることを明らかに拒んでいます」とある(乙97の2)。

ウ 平成27(2015)年11月13日の奈良市保健所への通報に、「昨日(12日(木))の午前中に、木津川市から奈良市にかけての里道を通り、奈良市側の養豚場の傍まで行ったところ、6〜7匹の犬の取り囲まれて咬まれかけた(咬まれてはいない)。養豚場の人が出てきたが、『勝手に入るな』と叱られただけで犬については何もしなかった。養豚場は奈良市の管轄であろうが、犬は京都府の浄瑠璃寺あたりまで来ている。なんとか対応してほしい。養豚場の人にかなり脅されたので名前は言いたくない。」とある(乙40)。

エ 平成29(2017)年7月10日の木津川市まち美化推進課への通報に、「昨日弥勒の道を歩いて村田養豚場付近まで行ったところ、複数の犬に取り囲まれ吠えられ怖い思いをした。養豚場から出てきた人に『入るな』とも言われた。」とある(乙47)。通報者は、加茂町在住であることから、京都側から村田養豚場まで歩いたと考えられる。当会代表には該当する人物が思い当たらないが、この通報者は「弥勒の道プロジェクト」のウェブサイトなどを見て、道を歩いてみたものと思われる。

(4) 上記(3)のウは、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の指摘する「ケ」(甲2ー23頁8行目〜24頁)に該当する証言を、当会代表に提供した人物による通報と考えられる。

当該人物は、古い道や遺跡、石造物などを訪ねることを楽しみにとしている人で、平成27(2015)年11月9日に、当会代表が運営していたツイッターの「弥勒の道プロジェクト」アカウントに、それまでに当会代表がウェブサイトなどで紹介してきた古道を歩いてみたい旨、初めてメッセージを送った。

これに対し当会代表は、その少し前の平成27(2015)年11月4日に、村田養豚場の北側で草刈りをした際、前述の通り、〈村田商店代表乙の父〉から恫喝を受けた経験から、当該人物に、今通り抜けることは勧められないと答えたが、当該人物がどうしても古い道を通ってみたいということだったので、村田養豚場の敷地の間にある木津川市道を通り抜けるのに必要と思われる情報や、古い道がある場所などについて、当該人物に対し、説明した。

そのような経緯があった上で、平成27(2015)年11月12日に当該人物が村田養豚場の敷地の間にある木津川市道を通り抜けた際、やはり〈村田商店代表乙の父〉から恫喝されたため、当該人物は、そのことを、古い道を歩いた感想とともに、当会代表に知らせた。本件記事記載の証言は、この時の当該人物による報告に基づく。なお、当該人物が〈村田商店代表乙の父〉から恫喝されている様子は、奈良県家畜保健衛生所の女性職員2名も見ていたとのことである。

当会代表と当該人物は、この時点では全く面識がなく、上記の通り、ツイッターで何度かメッセージをやりとりした程度であり、当該人物は、当会代表の「関係者」と呼べるような関係になかった。当会代表は今もって当該人物がどこに住んでいるかも知らない。当会代表と当該人物は、平成30(2018)年12月に、初めて浄瑠璃寺近辺で会っているが、両者の年齢はそれほど近くなく、古い道や遺跡、石造物などを訪ねるのが好きなこと以外、共通点はほとんどない。

村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、「当会代表及びその関係者が養豚場周辺に近づいてくるのを確認した際には、名前を聞いたり、『何をしているんだ。』と声を掛け、警戒することはあった」とするが、当会代表はともかく、通行人が当会代表の関係者であるかどうかをどのようにして見分けることができたのか、皆目見当がつかない。

(5) 小括

以上の通り、そもそもククリ罠にかかった犬を助けた経緯に関する村田養豚場(村田畜産/村田商店)の主張が事実と異なる上、当会代表がインターネット上に公開した記事を村田養豚場(村田畜産/村田商店)が直ちに感知できていたとも思われず、加えて、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は通行人が近づくだけで当会代表の関係者かどうかを確認できたとしており、不自然である。したがって、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の主張は信用に値しない。

里道の占拠について(FACT.3)

(1) 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は現在も、村田養豚場の敷地の間にある木津川市道上で、日中頻繁に、重機を用いた作業を行っている。とりわけ奈良市東鳴川町641土地と木津川市加茂町西小長尾谷6土地に挟まれた区間では、市道上で、運搬トラックを路上に停めた上での食品残渣の荷下ろし、路上に多数並べられた食品残渣の入ったドラム缶をフォークリフトで持ち上げ、ミニローダーのバケットに食品残渣を注ぎ込む作業、水を使ったドラム缶や重機の洗浄など、様々な作業が、断続的に、長時間行われている(乙59)。

(2) 村田養豚場の敷地の間にある木津川市道「加2092号線」は、道路法及び道路交通法の適用を受ける認定市道であるから、木津署長の許可なく路上で作業をすることは、道路交通法第77条に反する。

(3) 本件記事でも紹介した農林水産省「飼養衛生管理基準の改正に関するQ&A」Q10(乙98ー5頁)の答えに、「公道を通行する人や車両に消毒を義務付けることはできないので、両農場間の移動に当たっては、両農場の出入口で踏込消毒槽等による長靴の入念な消毒を行ってください」とある。また、Q10(乙98ー6頁)の答えには、「生活関係車両や人の通行帯を設け、衛生管理区域と区分することが望ましい」とある。

公道は、当然のことながら、不特定多数が通行する可能性があるので、公道上で、豚の餌となる食品残渣の荷下ろしや、重機を用いた餌の混ぜ合わせなどの作業を行うことは、上述の飼養衛生管理基準の趣旨からは、全く望ましくないと言える。

加えて、餌の保管や混ぜ合わせなどに使用しているドラム缶を、不特定多数が通行し得る公道脇に放置することについても、飼養衛生管理基準の趣旨からは、到底望ましいことと思われない。

すなわち、飼養衛生管理基準の趣旨に従えば、餌の荷下ろしや混ぜ合わせは、公道上で行われるべきではなく、公道から柵などで明確に区分された、養豚場の敷地の中で完結するべき作業であると言える。

また、上述Q10(乙98ー5頁)の答えの趣旨からすると、衛生管理区域内で用いられる重機は、本来、公道を出入りするたび、念入りに消毒されなければならない。しかし毎回そうした作業を行うことが面倒であるのは確かであり、飼養衛生管理基準上、畜産農場には、衛生管理区域内で用いられる重機が、極力公道を通らずに済むよう工夫することが求められていると考えられる。

ところが、村田養豚場では、上述(1)で述べたとおり、木津川市道上で日中頻繁に作業が行われている上、豚舎を出入りする重機が毎回不可避的に木津川市道を通過している(乙59)。このような衛生管理が、一般市民が「奈良を代表するブランド豚」を生産する農場に期待する水準を満たしているとは、到底思われない。

(4) 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、平成28(2016)年3月ごろ、奈良県家畜保健衛生所より、奈良市側の里道について、すみやかに境界確定を行うよう求められている(乙99)。

(5) 村田養豚場では、屋外の木津川市道上で餌の荷下ろしや餌の混ぜ合わせが行われており、その際路上にこぼれ落ちる餌は多い(乙56)。また、平成29(2017)年及び平成30(2018)年の、冬から翌年春にかけて、村田養豚場は、余剰食品残渣らしきものを、東鳴川町502に大量に投棄している(乙31ー(1)乃至(3)、(18)乃至(24))。村田養豚場(村田畜産/村田商店)による、こうしたずさんな餌の管理が、村田養豚場周辺に異常な数のカラスが集まっている(乙100の1乃至3)ことと無関係であるとは、およそ考えられない。

なお、村田養豚場から、東鳴川町の田畑までは200mと離れていない(乙100の4)。当会代表は、実際に東鳴川町の畑で、防鳥ネットをくぐり抜け、作物を荒らしているカラスを目撃しているが、そうしたカラスが、村田養豚場に集まっているカラスとは全く別のカラスだと考える方が、困難である。

(6) 小括

以上の通り、本件記事記載の事実は虚偽とは言えない。

バス停の改名について(FACT.3)

(1) 奈良交通「浄瑠璃寺南口」バス停の改称に関する、奈良交通及び奈良市交通政策課からの返答メールは、本件記事にも掲載されているが、これらのメールから判明した、「浄瑠璃寺南口」バス停が改称された経緯は、以下のとおりである。

  1. 旧「浄瑠璃寺南口」バス停留所で降車した観光客が、浄瑠璃寺にたどり着けず迷うことが多く、度々観光客を自家用車で送り届けていると主張する周辺住民が、奈良交通にバス停改称などの対応を要望していた(乙101の2)。

  2. アの周辺住民は、奈良交通からの回答がなかったことから、奈良市に相談した(乙101の2)。

  3. 奈良市は、その要望内容について奈良交通で対応するよう依頼した(乙101の2)。

  4. ウの奈良市の依頼について、奈良交通は、観光客が迷うようなバス停名を変更するよう依頼されたものと受け止めた(乙101の1)。

  5. 奈良市からの依頼を受け、奈良交通の担当者が、実際浄瑠璃寺への道がどういった状況であるのかを確認したところ、道が途中で養豚場の敷地内に進入し、作業用の重機も往来しており、だれが見ても「これ以上奥へ進めない」状況であり、このような状況では「浄瑠璃寺南口」というバス停名は不適切であると判断した(乙101の3)。

ところで、上記アの「周辺住民」の主張と、「道に迷っている通行人を、養豚場の従業員が車で目的地(岩船寺等)へ送り届けるなどの対応をしている」とする、訴状における村田養豚場(村田畜産/村田商店)の主張(訴状9頁6〜7行目)は、ほぼ同じである。また、奈良交通「浄瑠璃寺南口」バス停から浄瑠璃寺へ続く道の途中には、村田養豚場の他に民家や事業所が存在しないため、この上記アの「周辺住民」は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)のことだと考えられる。

そうすると、上記ア乃至オの経緯のとおり、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の苦情が発端となって、奈良交通「浄瑠璃寺南口」バス停は改称されたということになるから、本件記事に、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が原因となって、バス停名が改称されたと受け取れる記述があるとしても、その記述は何ら虚偽ではない。

(2) 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、「里道が隣接している施設が養豚場ということそれ自体が、一般人をして通行しにくいと感じさせる要因となっていると考えられる」「養豚場という性質上実際に通行をするということははばかられてしまうような状況があると思われる」と主張するが、当会代表が小・中学生だった平成元(1989)年前後までは、村田養豚場に隣接する里道は、通行がはばかれるような状態になかった。その当時は、おそらく〈村田商店代表乙の父〉の父、〈村田商店代表乙の祖父〉が、村田養豚場を経営していたと思われる。

小・中学生の頃、当会代表は何度もこの里道を自転車や徒歩で通っている。当時は現在のように道の両側が村田養豚場の敷地ではなく、道の東側のみが村田養豚場の敷地ではあったが、当会代表が重機の往来に遭遇したことはなかった。また、村田養豚場周辺に犬はおらず、カラスも見かけなかった。当会代表の記憶するところでは、道と村田養豚場の敷地は、板塀か柵で仕切られ、樹木も生えていて、敷地の中の様子は全くうかがい知れず、ごくまれに、叫び声のような豚の鳴き声がして、ようやく中で豚か何かが飼われているらしいと気づく、といった状態であった。当会代表は、あまりに人気がないので、廃屋ではないかと思ったこともある。

当会代表は、中学生の頃には、友人たちと大晦日の晩に、懐中電灯を片手に、この里道を通って、初詣を名目に、奈良の春日大社まで歩いたりもした。当時は、そうすることに危険を感じる道ではなかったのである。

以上の通り、過去の村田養豚場を思い起こすだけでも、養豚場があることそれ自体が、一般人をして、隣接する道を通行しにくいと感じさせるということはないと言える。

3ー(3)でも指摘したが、飼養衛生管理基準が求める通り、もし村田養豚場(村田畜産/村田商店)が里道と敷地を柵や板塀などで明確に区分し、かつ、作業用重機が公道を通過することなしに、作業が敷地内のみで完結するよう、作業工程あるいは建物の配置を見直すならば、奈良交通が「現在は養豚場があり行くことは出来ません」(乙101の1)、「道が途中で養豚場の敷地内に進入し、作業用の重機も往来しており、だれが見ても『これ以上奥へ進めない』」(乙101の3)と指摘した状況は、解消されると考えられる。

しかし現状では、村田養豚場の豚舎は、出入口がほとんど直接木津川市道に接しており、豚舎と市道の間は何によっても区分されていない。加えて、豚舎出入口にはカーテンの仕切りがあるだけで、日中はそれすらも開け放たれていることがあり、木津川市道から容易に豚舎の中が見えるような状態となっている(乙100の2)。こうした光景は、「道が途中で養豚場の敷地内に進入」していると見られても仕方のないものである。

加えて、村田養豚場周辺にいる徘徊犬が通行の妨げとなっていることも改めて指摘しておきたい。すでに述べたが、平成28(2016)年3月1日に、山城南保健所は村田養豚場を抜ける里道を現地確認し、「多数の徘徊犬が存在しているため、一般人が通行することは困難である」と評価している。

なお、株式会社都市景観設計と木津川市文化財保護課が編集・執筆を担当した、令和元(2019)年8月19日発行の「特別名勝及び史跡 浄瑠璃寺庭園 保存修理事業報告書II(保存修理工事編)」の「第5章 今後の課題」に、「2 活用上の課題」として、「奈良県側の悪質な土地利用による古道の実質的な封鎖」が挙げられている(乙102)。「奈良県側の悪質な土地利用による古道の実質的な封鎖」が何を指しているのかは、今さら言うまでもない。

当会代表の言う「公道の占拠」、奈良交通の言う「だれが見ても『これ以上奥へ進めない』状況」、浄瑠璃寺庭園保存修理事業報告書の言う「古道の実質的な封鎖」、表現は違えど、これらが言わんとする状況は、いずれも同じであり、当会代表の意見は取り立てて特異なものではない。

(3) 小括

以上の通り、本件記事記載の事実は真実相当性が認められることはもとより、真実である。

  • 村田養豚場(村田畜産/村田商店)が「公道を通行する人を恫喝している」という虚偽の記事内容のまとめとして,「村田養豚場の不法行為」という文章を掲載していることは,あたかも村田養豚場(村田畜産/村田商店)が不法行為を行っていたかのように伝えるものであり,虚偽内容である。
  • 村田養豚場(村田畜産/村田商店)は,本件記事に記載されているように,公道の通行者に対し恫喝等をしたことはない。むしろ,道に迷っている観光客と思われる通行人に対しては,目的地まで車で送る等の対応をしてきた。
  • 立入禁止の立て看板については,行政からの指示で立てていたものであり,村田養豚場(村田畜産/村田商店)に違法性があるものではない。
  • 〈村田商店代表乙の父〉や〈村田商店代表乙〉が,養豚場敷地内を通る里道の通行に際し,声をかけていたのは,当会代表またはその関係者らと思う人物に対してのみである。それは,村田養豚場に関するインターネット記事が掲載されていることを知り,虚偽の記事が新たに掲載されるのではないかということを危惧してのことである。
  • 平成27年5月には,「村田養豚場」の名前を出したうえで,SNSサービス「Twitter」上に,本件記事と類似する内容の記事が掲載されていたものであり,村田養豚場(村田畜産/村田商店)としてはそれを認識し,これ以上虚偽記事が掲載されることを警戒していたものである。
  • 里道を通行しようとする人物について,純粋に目的地に向かってその道を通行しようとしている者であるか,村田養豚場及びその周辺について探りを入れ,記事のための情報を手に入れようとしている者であるかについては,明らかにその挙動が異なり,その差は一目瞭然である。
  • 村田養豚場内里道の通行に関して,「京都市からの観光客」の証言として,恫喝の内容が記載されているが,村田養豚場が,里道の通行者を恫喝した事実はない。かかる記事内容は虚偽の事実を記載したものである。同記事において証言者は「京都市からの観光客」とされ,「事前に地域の人から村田養豚場界隈の状況が説明され,」といった風に,初めて同里道を通過しようとした者かのように記載されているが,後の恫喝内容についてみるに,「今回は郷ポークを話題にしても効果無しでした(笑)」等の記載があり,明らかに初めて通行した者とは考えられない内容が記されている。その他の内容についても,境界確定のことについて触れるなどただの観光客とは到底思われない内容が記載されており,同記事自体が当会代表による自作自演のものであり,全くの虚偽であるとしか考えられない。
  • 当会代表が、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が「不法占拠」していると主張する「公道」は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)もまた、養豚場に飼料当を運搬するためのトラック等の通行の用に供している。朝の8時30分~9時30分、昼の12時30分~13時30分の2回、10分程度、飼料等の積み卸し作業のために、「公道」上にトラック等を停止させることがある。したがって、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、「公道」を「常に」占拠しているものでない。乙59乙129は、その1日の内での僅かの積み卸し時間をねらって、写真撮影されているに過ぎない。そして、「不法占拠」か否かは、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の使用態様と、「公道」の他者の使用状況及び使用の必要性との比較によって判断されるべきところ、後記(34)のとおり、「公道」の他者の使用状況及び使用の必要性からして、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が「公道」を「不法占拠」している、などと評価されてはならない。
  • そもそも、当会代表の主張する「公道」は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が養豚場を始めた平成8年当時から、精々、年に2,3組の浄瑠璃時方面への散策客が通る程度の頻度しか使用されていなかった。浄瑠璃寺等への参拝客は99.999%、京都木津川市側の府道752号線からアクセスする。そして、それは、当時から現在まで変化していない。養豚場を通過して細い山道に入った後も、暫く歩かなければ、浄瑠璃寺方面の看板は存しない。そこで、「公道」を通過しようとする観光客は、必ずと言ってよいほど、道に迷い、養豚場作業者に、浄瑠璃寺方面への道を尋ねる。道を指示してもわかる人は少なく、引き返すために、養豚場作業者は、その都度、バス停まで送ってあげてきた。そのような他者の「公道」の通行状況からして、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の「公道」の使用を「公道」の「不法占拠」などと評価されることはない。
  • 乙56乙100乙127で、カラスが養豚場に集まっている写真が提出されているが、カラスは、餌を求めて集まるのだから、養豚場に集まったとしても何ら不思議ではないし、だれに対するいかなる権利侵害でもない。カラスが近隣の畑を荒らしているか否かは不知であるが、仮に荒らしているとすれば、その畑にカラスの食物があるからだけのことである。養豚場によってカラスが異常繁殖したとする根拠はなく、むしろ、養豚場に餌を求めてカラスが集まれば、近隣畑で舎供物を求めるカラスは減少するとも言える。いずれにしても、養豚場とカラスによる畑被害の因果関係は認められない。

乙第59号証及び乙第129号証の写真について

乙第59号証及び乙第129号証にある54枚の写真のうち、飼料等の積み下ろし作業をしていると村田養豚場(村田畜産/村田商店)が主張する、朝の8時30分から9時30分の間、あるいは、昼の12時30分から13時30分の間に撮影された写真は、7枚のみである(乙133乙134)。しかし、撮影時刻に偏りがあることは確かであるので、乙第135号証として、乙第59号証及び乙第129号証において数が少なかった時間帯の写真を、補充した。


なお、これら写真にある木津川市道は、ほぼ垂直に手前から奥へ伸びているが、乙第59号証の位置図を見るとわかるとおり、これは、これらの写真が木津川市道の当該区間を、北東方向から見下ろす形で撮影されているためである。したがって、写真中、車両等の影が落ちる方向は、午前中であれば画面右側、正午頃は右斜め手前、午後遅い時間には画面左側となる。すなわち、写真データに記録された撮影日時を確認するまでもなく、写真中の影の方向を見るだけで、これらの写真のいくつかが、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の主張する時間帯に撮影されていないことは明らかである。

加えて、村田養豚場(村田畜産/村田商店)自身が撮影し、門扉の工事完了届に添付した写真(乙122、2頁1枚目)を見ると、やはり木津川市道上でフォークリフトが作業を行なっているようすが写っている。この写真をよく見ると、養豚場のある谷間は山影に入って日が当たっていない一方、背景の山には日が当たっているから、この写真が撮影されたのは、かなり日が傾いた夕刻である。


また、村田養豚場(村田畜産/村田商店)が行っている飼料等の積み下ろし作業は、10分程度で完了するようなものではないが、それだけでなく、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、飼料等の積み下ろし作業以外にも、市道脇に置かれたドラム缶を使った餌の混ぜ合わせ、ドラム缶の配置換え、木片チップとおぼしき床材の豚舎への搬入、汚れた床材の搬出等、様々な作業を、フォークリフトやミニローダーといった重機を用いて、市道上で日中断続的かつ頻繁に行っている。ホースや高圧洗浄機により、市道上でドラム缶や車両の洗浄が行われている場合もある。奈良交通の担当者が、村田養豚場付近を訪れた際、市道上を作業用の重機が往来していたこと(乙101の3)は、決して偶然ではない。


さらに言えば、すでに被告第3準備書面25頁で述べたとおり、飼養衛生管理基準上、畜産農場には、衛生管理区域内で用いられる重機が、極力公道を通らずに済むよう工夫することが求められていると考えられ、村田養豚場において、作業用重機が市道を往来する必要があるのであれば、そのこと自体、到底望ましいこととは言えない。

道の役割について

当会代表は小中学生の頃、現在村田養豚場の敷地の間を抜ける形となっている道を何度も徒歩あるいは自転車で通っているが、その際一度も養豚場関係者を見かけたことがないから、村田養豚場(村田畜産/村田商店)がこの道の年間通行者数をどのようにして把握したのか、皆目見当がつかない。


当会代表が浄瑠璃寺周辺の住民から聞き取ったところによれば、村田養豚場の敷地の間を抜ける道は、かつては歩行者や自転車、バイクばかりでなく、軽トラックも通っていた道であり、浄瑠璃寺付近から奈良の市街地へ出る一番の近道だったとのことである。そのことは甲第19号証を見ても明らかで、もしこの道が快適に利用できれば、浄瑠璃寺付近からまっすぐ南へ、県道33号へ出られるはずのところ、現状では岩船寺まで東へ大きく迂回するか、梅谷の方を回らなければ、浄瑠璃寺付近から奈良市街地へ向かうことができない。


実際現在でも、例えば岩船寺付近の住民に聞くと、奈良市街地へ出る際、京都側から回り込むことは滅多にないそうである。たいていの場合、岩船寺すぐ南側の県道33号に出て、東鳴川町、中ノ川町を抜け、奈良市街地へ向かうという。

村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、東鳴川町では生活しておらず、自動車で奈良市法華寺町から村田養豚場まで通っているため、村田養豚場のあるあたりを、打ち捨てられた最果ての山奥のように考えている節があるが、木津川市の当尾側から見れば、この道は古来奈良への入り口であった。

また当会代表は、村田養豚場のある東鳴川町に隣接する中ノ川町出身者から、「20年ほど前、まだ山が削られる前に、子供の頃、父親といっしょに、何度か村田養豚場の横を抜けて浄瑠璃寺まで探索したが、その時にはすでに放し飼いの犬がたくさんいて怖かった」という話を聞いている。当然のことながら、徒歩で中ノ川町から浄瑠璃寺へ向かうのにも、村田養豚場の敷地の間を抜ける道が最短であり、その距離は2キロほどである。この道を使わずに、徒歩で中ノ川町から浄瑠璃寺へ向かうには、中ノ川町から加茂町西小へほぼ真北に伸びる尾根筋の里道を下り、そこからバス道を浄瑠璃寺へと登り返さなければならず、距離も3キロと少し長くなるため、気軽な父子の散歩とはいかなくなる。


言うまでもなく山間部にも暮らしがあり、徒歩によるものも含め、人々の行き来があるのであって、道の役割は観光地へのアクセスにのみ求められるものではない。


  • なお、当会代表は、上記時間帯以外においても、公道上で積卸作業が行われていると主張し、写真を提出している。確かに、日によっては、業者の都合により積卸作業の時間がずれることはある。しかし、いずれにしても、積卸作業に必要な時間は、10分程度に過ぎない。また、里道管理者の奈良市、市道管理者の木津川市のいずれからも、公道の占用許可を得る必要がある、と公道不法占拠を改善する旨の指導を受けたことは一度もない。
  • なお、当会代表は、本件公道は、地元住民の生活道路として使用されていたかのようにも主張する。しかし、少なくとも村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、20年以上の間、現地で養豚場を経営していて、地元住民が徒歩、自転車、さらにはバイクや軽四自動車で、公道を通行していたことを現認したことは一度もない。地元住民に聞いても、本件道路を生活道路として使用していたという話は聞いたことがない。

イ 村田養豚場が通行人を恫喝したり、立入りを制限する看板を設置したりして公道(里道)を不法に占拠していることについて

証拠(乙99)及び弁論の全趣旨によれば、村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、平成23年、村田養豚場の敷地の間を通る公道(里道)を含む同敷地が家畜伝染法に基づく衛生管理区域に指定され、奈良県家畜保健衛生所の指導により、一般通行人の立入りを禁ずる看板を立て、平成28年3月に公道が衛生管理区域から除外されるまでの間、その看板を維持して、一般の通行人による公道の通行を制限していたことが認められるが、このような措置が違法であったことを認めるに足りる証拠はない。

また、村田養豚場が、公道を占拠する手段として通行人を恫喝したとの事実については、これを裏付ける当会代表の供述及び第三者の陳述書(乙137)がある。しかし、村田養豚場の関係者らは、観光客等に、衛生上の問題や、当会代表の関係者がインターネット上に村田養豚場を誹謗中傷する記事を掲載しようとしているのではないかと考え、通行人に声を掛けていたことは認められるものの(〈村田商店代表乙〉12〜13頁)、このような声掛けにとどまらず恫喝とまで評価されるような行為に及んでいたことは客観的証拠もなく、これを否定する〈村田商店代表乙〉の供述に照らし、当会代表の供述等は直ちに信用することができず、他にこの事実を認めるに足りる証拠はない。

そうすると、村田養豚場が事実上公道を占拠していた事実は認められるけれども、当会代表が摘示するように村田養豚場関係者の恫喝による違法な通行妨害を行っているとまでは認められない。

ウ 以上のとおり、FACT2のうち、村田養豚場が通行人を恫喝したり、立入りを制限する看板を設置したりして公道(里道)を不法に占拠しているとの事実を摘示する部分については名誉毀損の不法行為が成立する。

(4) FACT3

村田養豚場の敷地の間にある市道については、私有地との境界の明示がされていないため、その位置を正確に確定することはできないが(弁論の全趣旨)、市道を含む通路部分において、村田養豚場がしばしばトラックや重機を停車させて荷物の積卸し等の作業をしたり、物を置いたりしていることは村田養豚場(村田畜産/村田商店)も認めるところである。そして証拠(乙59133140)によれば、村田養豚場は、公道を塞ぐような形で公道に車両を駐車したり、荷物を置いたりする作業を日常的に行っている上、公道付近も重機やトラック等が行き交っており、通行するには危険な状態であったことが認められる。また、平成28年3月までは、市道を含めて衛生管理区域とされ、立入りの禁止の看板が設置されており、その後、看板が撤去された後も、市道部分について自由に通行できる旨明示された形跡はなく、本件訴訟提起後も、同様の作業を継続していることが認められるから(乙99129133135)、村田養豚場による公道の占拠と評価できる事実はあるものと認められる。

そうすると、FACT3において摘示された村田養豚場による公道占拠の事実は、真実であると認められる。

もっとも、村田養豚場が養豚場敷地内の公道を業務上の必要に応じて使用することが直ちに違法とはいえないこと、村田養豚場による公道の占拠が作業に要する時間を越えて、恒常的にされていると認めるに足りる証拠はなく、公道上の作業が通行人の通行を妨害する形でしばしば行われているといった事実も認められないことからすると、村田養豚場による公道の占拠が不法であるとの事実については、真実性及び相当性ともに認められない。

したがって、FACT3において村田養豚場による同敷地の間の公道の不法占拠の事実を摘示したことについては、名誉毀損の不法行為が成立する。