奈良ブランド豚肉「郷Pork(郷ポーク)」について知るべきこと村田養豚場(村田畜産/村田商店)、奈良県、奈良市のこれまで

奈良県と奈良市が推奨し、奈良ホテルや奈良バーガーが採用した、奈良を代表するブランド豚肉「郷Pork(郷ポーク)」。この奈良ブランド豚を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、2003年頃他人の山林を侵奪し、その後も50匹あまりの犬を放し飼いにしたり通行人を恫喝するなどして、不法掘削した他人地と敷地周辺の公道を実質的に占拠し続けています。また奈良市に隣接する木津川市議会では、村田養豚場(村田畜産/村田商店)下流の水質汚濁が長年にわたり問題視されてきました。しかし、奈良県と奈良市はこれら村田養豚場(村田畜産/村田商店)による不法行為や迷惑行為をすべて黙認し、奈良ブランド推進対象として村田養豚場(村田畜産/村田商店)の「郷Pork(郷ポーク)」を積極的に支援しています。

FACT.1
山林侵奪
他人地占拠

村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、2003年頃他人の山林を掘削・侵奪し、その後も不法掘削した他人地を実質的に占拠し続けていますが、奈良県と奈良市は現在これを黙認しています。

村田養豚場の敷地範囲

2003年頃、奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、赤田川北側の他人の山林を無断で削る事件を起こしました。村田養豚場の敷地は上図のようになっており、削られた山林はすべて他人の土地です。

このうち東鳴川のCさんの先代が、村田氏の先代にこの山林を賃貸していました。両方の先代がほぼ同時期に亡くなった後、現在の農場主が「どのように使ってもいいという約束で先代から借りた」として、借りている山林を突如削り始めたのです。この件は裁判になっています。

京都府木津川市側のAさんBさんは完全に巻き添えで山林を破壊され、AさんとBさんの土地の間にあった公道は跡形もなくなりました。2005年AさんBさんらは村田養豚場(村田畜産/村田商店)を刑事告訴しましたが、山はすっかり平らになるまで削られ続けました。

1999年:まだ山は削られておらず、里道西側の畜舎も存在しない。/2003年:山が削られ始めている。/2008年:山が削られ池ができている。道の西側にも畜舎が増築されている。

2006年には、奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)が、削りとった他人地で野焼きを繰り返し、農場主が現行犯逮捕されています。しかし、山林を削り取られたAさんBさんらによる刑事告訴はなぜか起訴猶予に終わりました。警察からは「けが人や死人が出たわけではないから」と言われたそうです。

なお、Aさんの土地については、山を削られたわけではありません。BさんCさんDさんの山を削ったときに出てきた岩や樹木、土砂が、Aさんの放棄田の上に積み上げられたのです。そのため以前は赤田川べりまで歩いて降りられた場所が、現在は数メートルの断崖になっています。

土砂積み上げ図

Aさんは谷の北東側が川にせり出すかっこうとなっていることをとても心配しています。ゲリラ豪雨がどこで降るわからない昨今、大水が出たとき土砂崩れで川が塞がれないか心配だと言うのです。

もしこの場所で川が塞がれたらどうなるでしょう。対応が遅れれば鉄砲水が下流の砂防ダムを襲います。後で触れますが、下流の砂防ダムには大量の汚泥が溜まっています。万が一鉄砲水で砂防ダムが決壊すれば、そこに溜まっている大量の汚泥が、加茂盆地の田畑に流れ込みます。ただの洪水被害ではすみません。

村田養豚場は最近も、ゴミを捨てるためにこの場所を掘り返しています。2014年の秋ごろ、ある人が下画像の赤丸のあたりに犬やカラスが群がっているのでなんだろうと見に行くと、犬が掘り返した穴から骨と毛皮が突き出していました。いつかはわかりませんが、このあたりに豚の死骸を埋めたようです。ただでさえ岩や樹木片を積み上げた弱い地盤であるのに、そこを何度も掘り返しているのですから、いつ大雨で崩れてもおかしくない状態です。

赤田川北の川縁に動物の死骸が埋められていました。

ゴミを捨てるため掘られた穴は他にもあります。中でも大きなものは、2011年10月の航空写真(下写真)に写っている四角い池です。この池は赤田川北の、山林を削った場所に作られていましたが、現在はなくなっています。何かが埋められたのは間違いありません。

整理番号:CKK20113/コース番号:C24/写真番号:2/撮影年月日:2011/10/27(平23)/撮影地域:宇陀/撮影計画機関:国土地理院

2012年ごろ村田養豚場に産廃を満載したトラックが入って行く所を見たという人がいます。赤田川北の荒れ地にトラックが沈み込まないよう鉄板を敷いて、産廃を運び込んでいたというのです。そこである人が、もしかしたら池になっていた場所に産廃が埋められたのではないかと思い、奈良市環境部産業廃棄物対策課にメールでこの場所のことを問い合わせました。その結果返ってきたのが下記回答です。

平成27年6月10日
****** 様
奈良市環境部産業廃棄物対策課長

村田畜産の敷地に産業廃棄物が埋められている疑いについて

平素は、奈良市環境行政にご協力いただきありがとうございます。
村田畜産の敷地に産業廃棄物が埋められている疑いについて情報いただき、ありがとうございます。
まず、数年前に頻繁に大型トラックが産廃を積んで走行していた件につきましては、村田氏とは全く関係ないものであり、その関係者(土地所有者)に対し、持ち込んだ産業廃棄物について奈良市から指導した結果、搬出して適正に処分されました。
また、奈良市では今までパトロールを実施しておりますが、村田畜産が違法な産業廃棄物の処理を行ったと確認することはできませんでした。
これからも村田畜産のパトロールを継続して参りますので、よろしくお願いいたします。

〒630-8580
奈良市二条大路南一丁目1番1号
奈良市環境部産業廃棄物対策課
TEL 0742-34-4592
FAX 0742-34-1162

産廃を捨てていたのは、村田氏と全く関係のない、産廃が捨てられていた土地の所有者で、市の指導により捨てられていた産廃は搬出され適正に処分されたとのことです。しかし村田氏が承知していないのに、産廃を積んだトラックが村田養豚場の間を抜けて赤田川北へ入れるとは思えません。

メールに添付した航空写真画像

そのため、この問い合わせをした人は、奈良市の回答が別の場所のことを言っている可能性を危惧し、地図と航空写真(上写真)を示して、この場所でまちがいないかと何度も問い合わせました。しかし奈良市からは最後までまともな返答を得られませんでした。

平成27年7月29日
****** 様
奈良市環境部産業廃棄物対策課長

村田畜産の敷地に産業廃棄物が埋められている疑いについて

平素は、奈良市環境行政にご協力いただきありがとうございます。
さて、土地の所有者につきましては、土地の所有権が変わる場合があります。そのため、繰り返し申し上げておりますが、法務局でお調べいただく方法が良いと考えております。
廃棄物の指導につきましては、当時適正に行いました。しかし、その詳細な内容につきましては、信用に関する情報であり、回答できません。
ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

〒630-8580
奈良市二条大路南一丁目1番1号
奈良市環境部産業廃棄物対策課
TEL 0742-34-4592
FAX 0742-34-1162

なお池があった土地の所有者、東鳴川のCさんは、産廃のことは知らないと言っています。一方Bさんが、2016年4月ごろ村田氏の娘さんに会った際、池になっていた穴に何を埋めたのか聞いたところ、コンクリート片などを埋めたと聞かされたとのことです。

2009年には、村田氏と東鳴川のCさんとの山林賃貸契約はどのような解釈によっても解消しています。ということは、村田養豚場は土地所有者に断りなくコンクリート片を埋めたということなのでしょうか。その後コンクリート片が撤去されたという情報はなく、奈良市が把握している事案がどこのことなのか、まったくわかりません。

また村田養豚場は他人地を占拠するだけでなく、地権者をしばしば恫喝しています。山林が削られ始めたころ、Bさんの亡くなったご主人は、削られ続ける自分の山をなんとかして守ろうと、当時の加茂町長に何度も直談判し、あるときようやく町の協力を取り付けました。しかし、それまでの心労がたたったのか、その翌日脳梗塞で倒れ、その後は身体を自由に動かせなくなってしまいました。

それでもBさんのご主人は、不自由な身体を押して、村田養豚場に削られた自分の土地を見に行っていたそうです。すると村田氏は帰り道を重機で塞ぎ、酷い言葉で恫喝したといいます。しかしBさんのご主人は毅然として脅しをはねのけたのだと、Bさんは誇らしげに語っていました。

ご主人に数年前先立たれたBさんは、奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)に持ち山を削られたことが、ご主人の寿命を縮めたと感じてらっしゃるようです。Bさんの土地には今も村田養豚場の小屋や犬小屋が許可なく置かれています。そのようすは Google マップの航空写真でも確認できます。赤田川北の他人地に小屋や重機が置かれ、たくさんのゴミが散乱しています。

奈良県と奈良市はこのような状況を把握しながら、管轄外を理由に他人地の占拠を黙認し、奈良ブランド推進対象として村田養豚場(村田畜産/村田商店)の生産する「郷Pork(郷ポーク)」を積極的に支援しています。

FACT.2
犬の放し飼い
公道の占拠

村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、50匹以上の犬を放し飼いにし、通行人を恫喝するなどして、長年にわたり公道を占拠し続けてきました。2015年末には、村田養豚場が放し飼いにしている犬が10匹単位で、隣接する観光地である木津川市浄瑠璃寺に入り込む事態となっています。しかし奈良県家畜保健衛生所はこれを今なお容認しており、公道の占拠にも率先してお墨付きを与えています。奈良県家畜保健衛生所は自ら、村田養豚場の不法行為に加担しています。

赤田川北の山林がすっかり削られてしまった2007年、どこから資金を得たのか、奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)は多額の借金を弁済したと見られます。農場主の娘名義で、里道の西側の耕作放棄地などを買い取り、敷地を広げました。つまり道の両側が村田養豚場の敷地となったわけです。このころから大量の犬の放し飼いが始まりました。下図は2014年ごろの犬の徘徊状況です。

犬の徘徊範囲

2016年1月には、ざっと数えただけでも50匹以上、山林に隠れている犬を含めればおそらくもっと多くの犬が、村田養豚場周辺を徘徊していました。下写真は2016年1月に村田養豚場の間を抜ける公道で撮影したものです。

奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)が放し飼いにしている犬は、浄瑠璃寺でも頻繁に目撃されています。こちらは境内に迷い込んだ犬を、居合わせた観光客が浄瑠璃寺の犬と勘違いして撮影したものです。

#浄瑠璃寺 の庭園に どこからともなくヒョイと現れ とっても楽しそうに遊んでたワンコ。 ・ 私達が散策をしだしたら 満面の笑みで 後ろをついてきていて かわいかった♪ (よくよく考えたら そんな呑気な事 言っててはいけないのかもしれないけど 多分この子は ここで暮らしてるような気がしたのです) ・ ・ しばらくしたら 後をついて歩くのに飽きたのか また1人でお寺の敷地を 走り回ったり 蝶々を追いかけたり。 ・ ・ 庭園には ネコちゃんもたくさん。 ・ ・ お寺の方も ワンコやネコの姿を見ても 追い出すわけでもなく ただあるがままを そのまま受け入れてるように見受けられて なんだかとっても ほっこりしたのでした。 ・ ・ #浄瑠璃寺 にいた #ワンコ ここまでは事情をしらずに書きました。 が、Twitterでこのワンコの情報を寄せられました。 その方の仰るには近くの養豚場で放し飼いで飼われている犬ではないかと。飼い猫が噛み殺されたり、山道を散策している人が犬に囲まれたりしていると。なのでガンガン保健所に電話してほしいと言われました。 私は保健所が意味する事、犬の行く末がわかるだけに保健所に連絡はできません。指導されるべきは人間。 どうか罪のない犬の命を差し出すのではない方法をお考えいただきたいとお願いしました。 どうか双方共良い解決策がありますようにと祈らずにはいられません。

canmimiさん(@canmimi)が投稿した写真 -

2015年の末ごろからは、村田養豚場が放し飼いにしている犬が、10匹単位で早朝の浄瑠璃寺に現れるようになり、姿が見えない時も境内に多数の糞を残して行くため、浄瑠璃寺が非常に困る事態となっていました。国宝建造物などに尿をかけていた恐れもあります。下写真は2016年4月5日に執り行われた浄瑠璃寺の前住職葬儀の最中に現れた犬です。

2016年4月5日に執り行われた浄瑠璃寺の前住職葬儀の最中にも現れた犬

奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)を監督しているのは奈良県家畜保健衛生所です。そこである人が村田養豚場による犬の放し飼いについて、奈良県家畜保健衛生所に問い合わせたましたが、「それは保健所の仕事だからうちは関係ない」の一点張りでした。ところが村田氏の娘さんに、なぜ放し飼いをするのか聞くと「イノシシ除けのために認められている」と主張します。

もちろん犬の放し飼いは奈良県動物愛護条例により禁止されています。

(犬の飼い主の遵守事項)
第五条 犬の飼い主は、前条各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 次に掲げる方法により、常に、飼養する犬が人の生命等を侵害することのないようにしておくこと。
ア 飼養する犬の形態、性状等に応じ、丈夫な綱、鎖等で固定的な工作物等に係留すること。
イ 飼養する犬の形態、性状等に応じ、おり、囲い等の障壁の中で飼養すること。
ウ 飼養する犬を連れ出す場合にあっては、飼養する犬の形態、性状等に応じ、丈夫な綱、鎖等で保持する等これを制御できるようにしておくこと。
エ アからウまでに掲げるもののほか、規則で定める方法
二 犬の種類、発育状態等に応じて適正な運動をさせること。
三 犬の生態、習性及び生理を理解した上で、当該犬に適したしつけを行うこと。

(措置命令)
第十四条 知事は、犬の飼い主が第五条第一号に掲げる事項を遵守していないと認めるときは、当該犬の飼い主に対し、期限を定めて、次に掲げる措置を講ずべきことを命ずることができる。
一 係留すること。
二 口輪をつけること。
三 前二号に掲げるもののほか、犬による人の生命等に対する侵害を防止するために必要な措置を講ずること。

第十九条 第十四条の規定による命令に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

奈良県動物の愛護及び管理に関する条例

そこでその人は奈良市保健所になぜ犬の放し飼いを取り締まらないのか聞きました。すると「衛生管理区域」を理由に、保健所であっても村田養豚所の敷地に近づかないよう奈良県家畜保健衛生所に要請されているというのです。また奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)は、「敷地付近を徘徊している犬は、飼い犬じゃない、勝手に増えた野犬だ」と説明している、とのことでした。

つまり、村田養豚場が放し飼いにしている犬について、奈良県家畜保健衛生所はこれを容認しているだけでなく、村田養豚場の敷地が衛生管理区域に設定されていることを理由に、保健所が介入することを自ら妨害しているということです。しかし、農林水産省安全局家畜防疫対策室による見解は次のようなものです。

イノシシの進入を防ぐために犬を飼うことは飼養衛生管理基準違反ではありませんが、犬を放し飼いにするのは、その犬がどこで野生のイノシシと接触するかわからないので、よい措置とは言えません。柵で囲い、その中で犬を飼うなど、犬が衛生管理区域を出入りしないようにすることが望ましいと考えます。犬が行動できる範囲を、衛生管理区域の内側か外側かのいずれかに限定するべきです。

極めて常識的な見解です。農林水産省は、敷地の周りを柵で囲ってその中で放し飼いにすることを推奨しています。ところが奈良県家畜保健衛生所は、農林水産省の見解に沿った指導を今も頑に拒んでいます。

ここでさきほどから出てきているキーワードについて、確認しておきましょう。「衛生管理区域」とは、居住空間等と区別することにより、畜舎周辺を病原体に汚染される可能性が少ない清浄区域とし、畜舎への家畜伝染病の侵入リスクを低減することを目的として設定するものです。

当然のことながら、衛生管理区域は農場の敷地内にのみ設定可能で、公道や他人の所有地を衛生管理区域とすることはできません。法的にはそうです。ところが村田養豚場では違うのです。村田養豚場では敷地の間にある公道が、農場主が通行を制限するべき衛生管理区域に含まれています。

敷地の間にある公道だけではありません。奈良県家畜保健衛生所は敷地周囲の公道までも衛生管理区域とすることを認めていた節があります。なぜなら周辺住民どころか保健所でさえ、衛生管理区域を理由に、村田養豚場周辺の公道を通らないよう要求されていたからです。

村田養豚場は、衛生管理区域を盾に、木津川市の立ち入りも拒んでいます。村田養豚場は2012年ごろから、通行人を含め、あらゆるじゃまものを衛生管理区域を理由に遠ざけてきました。そして奈良県家畜保健衛生所はそれをことごとく追認しています。

衛生管理区域は、2010年から2011年にかけ宮崎県を中心に猛威をふるった口蹄疫の反省から、2011年10月、家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準の見直しにより新設されたものです。衛生管理区域が新設された後、奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)では、2012年ごろから、敷地周辺の公道に「立入禁止」の札を立てるようになっていました。

もちろん敷地ではない公道にこのような札を立てるのは違法ですので、ある人が奈良県家畜保健衛生所にこのことを把握しているか問い合わせました。するとおどろくような答えが返ってきました。なんと奈良県家畜保健衛生所が公道の上に立入禁止の札を立てるよう指導しているというのです。

奈良県家畜保健衛生所は、「敷地の間にある公道を含めて衛生管理区域が設定されている以上、公道の上にも立入禁止の札を立てなければならない」として、「札を撤去させることはできない、むしろ立ててもらわなければならない」と言いきりました。そこで問い合わせをした人は「公道の通行を妨げるのはおかしいではないか」と食い下がりましたが、奈良県家畜保健衛生所は「事前に連絡すれば消毒の上通行できるのであるから、通行妨害には当たらない」と主張したといいます。

なお、奈良市法定外公共物管理条例には「何人も、法定外公共物の保全又は利用に支障を及ぼし、又は支障を及ぼすおそれのある行為をしてはならない」とあります。奈良県家畜保健衛生所の主張は常軌を逸していると言わざるを得ません。

(行為の禁止)
第3条 何人も、法定外公共物の保全又は利用に支障を及ぼし、又は支障を及ぼすおそれのある行為をしてはならない。

奈良市法定外公共物の管理に関する条例

また、農林水産省安全局動物衛生課の鶴田氏にうかがったところ、衛生管理区域の設定によって公道の通行を妨げてよいとする法的根拠はなく、一般市民の公道通行が優先されるべきとの見解でした。公道の通行を、一家畜保健衛生所職員の裁量によって妨げ得る法的根拠などあるはずがありません。くわえて後日、ある人の問い合わせに対し、農林水産省農林水産省消費・安全局動物衛生課は次のように回答しています。

タイトル
【回答】奈良市の法定外管理物(里道)と衛生管理区域の設定について
日時
2016年6月14日(火) 午後8時1分
発信者
農林水産省 消費・安全局 動物衛生課

***様

日頃より当省の施策について、ご関心、ご理解をいただき、ありがとうございます。

昨年6月に***様から当省総合窓口へお問い合わせいただいた件につきまして、回答が大変遅くなり心よりお詫び申し上げます。

***様からは奈良市の法定外管理物(里道)と衛生管理区域の設定についてお問い合わせいただいておりましたところ、以下のとおりお答え申し上げます。

家畜伝染病予防法に基づく「飼養衛生管理基準」では、飼養する家畜を伝染病から守るために、自らの農場を衛生管理区域とそれ以外の区域とに分け、人や物の出入りを制限しています。衛生管理区域には、必要のない人が立ち入らないようにするとともに、関係者であっても出入りの際はしっかりと消毒するために、看板等により区域が明確に分かるようにすることとしています。このように、衛生管理区域は、所有者の農場内を区分するものであって、公道の占拠を認めるものではありません。

皆様からの御意見は当省の施策をより効果的に進めていくために大変貴重であると考えておりますので今後とも当省の施策に関するご不明な点等がありましたら、総合窓口を御活用いただきますようよろしくお願い申し上げます。

(農林水産省総合窓口)
https://www.contact.maff.go.jp/voice/sogo.html

農林水産省 消費・安全局 動物衛生課
TEL:03-3502-8111(代表)(内線:4581)
直通:03-3502-5994/FAX:03-3502-3385

農林水産省は上記のような見解を示していますが、奈良県家畜保健衛生所は、木津川市管理課に対しても、農林水産省の見解に反する説明をしています。奈良県家畜保健衛生所は、木津川市管理課との間で行われた協議の際、蛍光ペンで強調した「飼養衛生管理基準の改正に関するQ&A」Q10を示し、次のように説明したそうです。

Q10.農場が公道や私道で分断されている場合、その行き来をする場合にも消毒等 の実施が必要ですか。答) 1.両農場が道路を隔てて隣接しており、又は両農場間に別の畜産関係施設が存在しない場合には、公道や私道を含めて両農場を同一の衛生管理区域とみなすことができます。2.ただし、この場合には、公道を通行する人や車両に消毒を義務付けることはできな いので、両農場間の移動に当たっては、両農場の出入口で踏込消毒槽等による長靴の 入念な消毒を行ってください。

「回答に、公道や私道を含めて同一の衛生管理区域とみなすことができるとありますね? そして両農場の出入り口で入念な消毒を行うよう求めています。つまり、公道を通行する人にも消毒をお願いしなければならないということです。」

まともな日本語能力があれば、この文章をそのように読むことはできません。はっきり「公道を通行する人や車両に消毒を義務づけることはできない」と書いてあります。この文章は農場関係者に向けて書かれたものです。農場関係者は、敷地の間にある道を渡るときにも長靴を消毒せよということです。

ところが、奈良県家畜保健衛生所は、義務はなくとも、公道を通行する人や車両に「消毒を行ってください」とお願いするべき、と解釈するのです。「両農場間の移動」という部分も「両農場の間にある道を移動する」と読むのでしょう。

この他にも奈良県家畜衛生所は木津川市に明白な嘘を報告しています。木津川市では、2014年の6月議会で、村田養豚場周辺の公道上に立てられていた立入禁止の看板が取り上げられました。市議から立入禁止の看板について問われ、木津川市の建設部長が次のように回答しています。

◯建設部長(若狭 朝明) 建設部長でございます。
 西山議員の再質問にお答えいたします。
 市道の関係でございます。市道に関しまして、奈良県の家畜保健衛生所と連絡・連携をとって今進めておりまして、実際のところ、保健衛生所からは、病気の発生する予防のための衛生管理区域の設定というのがございます。それを今現在は、指導市道(※引用者修正)も含めて、衛生管理の区域に入れているというところでございまして、その件につきまして、奈良県の家畜保健衛生所が国のほうへ、そういう状況の内容を国のほうへ確認するというところで問い合わせをしていただきました。その後、県の家畜保健衛生所から連絡がございまして、国からの回答につきましては、他人地を含めることにつきましては、好ましくないというふうな国からの回答であったというふうなことで、後日、指導に行くというところで、冒頭の回答をさせていただいたというところでございます。
 その後でございます。その後に、6月に入りまして、奈良県の家畜保健衛生所の方が3名本市のほうに来庁いただきまして、その指導の帰りに寄ったというところでございました。その来られたときの内容でございますが、県のほうが調べたところ、木津川市道と奈良市道とはつながっていないという見解でございました。養豚場の浄瑠璃寺側にある看板を、この先行き止まり等とし、養豚場手前に置くこととし、原則は、養豚場内にある市道につきまして、看板を置いて伝染病予防のために、立ち入りについては消毒に御協力いただきたいというふうな県からの回答でございました。
 我々といたしましては、そのようなことでございますけれども、認定市道でございますので、通行を規制するものではないというふうな認識はしておりますけれども、今現在、奈良市の道路管理者のほうに、その旨の実際のところの認識、状況、それと判断等を確認中でございまして、それのまだ回答は得ておりません。
 以上でございます。

2014年06月24日:平成26年第2回定例会(第5号)

まず、「県のほうが調べたところ、木津川市道と奈良市道とはつながっていないという見解でございました。」とありますが、市道がつながっていないというのは完全にうそです。

たしかに、村田養豚場から県道33号線へ向かう道は途中から私道になっています。しかし市道(里道)は途中で県境沿いに西に折れ、ずっと奈良坂までつながっています。またこの私道は大阪の不動産業者が所有していますが、「土地取得前からある勝手道であり、なんら通行は制限していない」とのことです。

市道と公道

そもそもこの道は当尾の人が県道に出るために取り付けた道です。今は村田養豚場が重機を渡すために架けた橋の下に埋もれていますが、赤田川に架かる橋も、当尾の人が架けたものでした。この道を自由に通行してかまわないとする不動産業者の姿勢は至極真っ当なものと言えます。

ところが村田養豚場は、この道は私道であるから通ってはならないと、しばしば通行人を脅しています。実は、この道が私道だから通れないと主張しているのは、村田養豚場だけなのです。

下記は2015年10月ごろに、村田養豚場の間を抜ける里道を通行しようとした方の証言(一部抜粋)です。この方は京都市内からの観光客でした。事前に地域の人から村田養豚場界隈の状況が説明され、今通り抜けることはおすすめできないと伝えられていたのですが、それでもぜひ歴史ある古道を歩いてみたいと、たった一人で通行を決行したとのことです。この方を恫喝したケースでも、私道だから通れないという理屈が、その根拠となっています。

こんばんは。先ず養豚場内里道通過の件ですが村田氏自身により通過を拒否されましたがいただいた資料にある内容を告げそのまま進行しました。すると中程で前に立ちはだかり住所氏名を告げるよう要求し始めました。更に拒否すると罵詈雑言を叫び始め次回通過しようとするのを見つけたら無事には通過させないと恫喝されました。たまたま奈良県家畜保健衛生所職員が2名検査で来ており彼女達にも住所氏名を控えるよう要求していましたが当方が拒否する以上私たちには権限が無い旨説明されていました。

その後も恫喝しながら林への入り口まで追いかけられました。犬の放し飼いも酷いです。境界確定させずにこのまま占有を続け、里道を荒廃させれば事実上自由に使えますからこのまま放置することは彼の目論見を幇助することになりますね。なんともやりきれないです。ちなみに今回は郷ポークを話題にしても効果無しでした(笑)。このような一触即発的な状況ではいつか殴り掛かられるような事態が起きないか憂慮します。まあ、手を出せば刑事事件ですから多少事態は動くかもですが。

林への入り口付近より上のコンクリート舗装されている道は私道でしょうか。村田氏は具体的な会社名挙げて絶対通行ならんと言っておりました。入り口まで追って来たのもそれが言いたかったのかもしれません。

罵詈雑言には強い方だと自負していますがやはり非生産的な無意味な議論は消耗します。ただギリギリまで身体を寄せてきたり、林の入り口まで追ってきたりと尋常ならぬ殺気を感じましたので今後は十分お気をつけ下さい。説得に応ずるようなタイプではないかと。。録画録音は必須と感じました。しかしよく平気で嘘がつけるものだと感心しています。

奈良県家畜保健衛生所の村田養豚場におもねる態度が、村田養豚場の通行妨害を助長させ、今や通行しようとする観光客を恫喝するにおよんでいます。奈良県と奈良市はこのような状況を今なお黙認し続けています。

話を戻します。奈良県家畜保健衛生所が木津川市に対し「木津川市道と奈良市道とはつながっていない」と主張したのは、おそらくこういうことです。奈良県家畜保健衛生所の職員は、村田養豚場を指導した際、木津川市に対し「私道だから通れないと言え」と要求され、それをそのまま木津川市に伝えたのです。調査などしていません。私道とは別に赤田川沿いに県道へ抜ける市道もあり、地図を見ればそのような主張がおかしいことはすぐにわかるからです。

そして、先に引用した木津川市建設部長による答弁の後段では、奈良県家畜保健衛生所による信じ難い回答が紹介されています。繰り返しになりますが再度引用します。

養豚場の浄瑠璃寺側にある看板を、この先行き止まり等とし、養豚場手前に置くこととし、原則は、養豚場内にある市道につきまして、看板を置いて伝染病予防のために、立ち入りについては消毒に御協力いただきたいというふうな県からの回答でございました。

2014年06月24日:平成26年第2回定例会(第5号)

奈良県家畜保健衛生所は、公道に立入禁止の札を立てさせることを農林水産省に否定されるや、今度は木津川市に嘘をついてまで、「この先行き止まり」という札を立てさせることを正当化しようとしました。なんとしても公道の通行妨害を継続させたかったようです。彼らはいったいなぜここまでするのでしょうか。

しかも奈良県家畜保健衛生所は、木津川市に違法性が高い指導方針を回答するだけでなく、実際に職員が村田養豚場による通行妨害に協力しています。下記は2015年10月に村田養豚場の北側で草刈りをした方の証言です。この証言からも、奈良県家畜保健衛生所が村田養豚場に言われるまま、公道の通行妨害に加担してきたことがよくわかります。

以前から東鳴川の人に、村田養豚場は電話魔だと聞いていました。何かにつけ役所にしつこく電話をし、さんざんわめいて自分に都合がいいことを役所に言わせるのだと。困っているのは村の人間なのに、奈良市役所はおまえらが我慢しろと言ってくる。まったく頼りにならないと。それで赤田川北側の草刈りは、あえて村田養豚場が役所に電話できるよう無理して平日の日中に行いました。

予想通り、農場主は私が草刈りをしているのをみつけると、誰の許可を取ってやっているのかと因縁をつけてきました。もちろん村田養豚場の敷地ではない里道の草刈りをするのに、村田養豚場に許可を得る必要などありません。まして村田養豚場は草刈りをしていた里道の隣接地所有者でもないのです。私はあらかじめ手に入れておいた公図のコピーを示して、この里道の隣接地はあなたの土地ではないし、隣接地所有者には草刈りの許可は取ってあると告げ、草刈りを続けました。

すると農場主は、本当にあちこちに電話しはじめました。誰かのお墨付きを圧力に、私の名前と住所を聞き出そうとやっきなのです。最初は不動産業者に電話していましたが、不動産業者が私の名前と住所を聞き出すことに難色を示すと、次に奈良県家畜保健衛生所に電話しました。村田養豚場周辺では公道を含めて衛生管理区域であるから、公道を歩くにも名前と住所を入場記録につけなければならないと言わせたかったようです。ところが、電話に出てきた女性職員は、公道は敷地ではないから、通行する人に名前と住所を告げるよう言うことはできないと、ごく当たり前のことを答えていました。

それを聞いた農場主は、お前じゃ話にならない、別のやつを出せと怒鳴り散らしました。次に電話口に現れた男性職員は「村田養豚場では衛生管理のため公道を通る場合も入場記録を取ることになっています」と私に言ってきました。これに対し私が法的根拠の有無を問いただすと、「法的根拠はありませんが、村田養豚所ではこうすることになっています。強制ではなく、“お願い” ということです」とのこと。それで「では通行に際し入場記録の求めに応じる義務はないですね」と確認すると、この男性職員は「そうです」と認めました。

私は事前にいろいろと教えてもらっていたので、この場所の事情をくわしく知っていましたが、そうでなければ、あんな態度で詰め寄られ、役所にも名前を言うよう言われたら、ふつうの人はあきらめて引き返すと思います。最後に農場主は、今度ここを通ろうとして里道から少しでもはずれたらどうなっても知らんぞと恫喝して去って行きました。

この方の指摘にもありますが、農場主から威丈高に名前と住所を問われ、奈良県家畜保健衛生所にもそれに従うように言われれば、ふつうの人は通行を断念してしまうにちがいありません。

法的根拠がなく農林水産省のガイドラインにも反することを知りながら、それでも「お願い」を求める奈良県家畜保健衛生所の指導は非常に悪質です。おかしいと言われれば「お願い」だと言って逃げ、言われたことを素直に聞く人間には「こういうことになっている」と言いきるのです。さきほどの木津川市の答弁でも木津川市は奈良県から「ご協力」を求められています。

一方で、不可解なことに奈良県家畜保健衛生所は、月に2回の高頻度で、村田養豚場の検査を行っているようです。京都府家畜保健衛生所は、村田養豚所と奈良県家畜保健衛生所の関係について、「良好な関係」と評しました。これだけ高頻度の検査は、両者の関係が「良好」でないとできない、とのことです。

FACT.3
公道を見捨てる
奈良市行政

奈良市土木管理課は、村田養豚場(村田畜産/村田商店)により奈良市の認定市道が占拠されていることを知りながら、敷地境界が確定していないことを理由にいっさい何もしようとしません。

奈良市土木管理課は、奈良市の公道である村田養豚場の敷地の間にある里道を、村田養豚場が不法に占拠している現状について、次のように回答しています。

****** 様

この度は、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。

東鳴川町村田養豚場が里道の通行を妨害していることにつきまして、奈良市では里道(法廷外公共物)の管理につきましては条例で定めております。

○奈良市法定外公共物の管理に関する条例
(行為の禁止)
第3条 何人も、法定外公共物の保全又は利用に支障を及ぼし、又は支障を及ぼすおそれのある行為をしてはならない。

また、市では法定外公共物の敷地確定につきましては、隣接土地所有者からの申請により境界明示確定作業として実施しているため、当該地付近における法定外公共物の敷地確定はできておりません。

隣接地所有者からの申請が提出されましたら、確定作業の実施ならびに工作物等による不法占用等違反行為が確定され次第、速やかに撤去及び原状回復の行政指導を行って参ります。
 ご理解をよろしくお願いします。

平成27年1月23日
奈良市 建設部 土木管理課

つまり「敷地と里道の境界が確定していないから、何の指導もできない。もし、村田養豚場から敷地確定の申請があったら境界を確定して指導もする。」ということのようです。

しかしこれでは、もし村田養豚場が敷地の周囲にある里道(奈良市の認定市道)を自分の土地のように使いたい場合、永遠に敷地確定の申請などしなければよい、ということになります。村田養豚場が境界確定を申請しなければ、境界はいつまでも確定せず、したがってなんらかの取り締まりを受けることは未来永劫あり得ないのですから。

悪循環

付言すれば、奈良県家畜保健衛生所が、敷地の間にある公道を含めて衛生管理区域とし、公道の通行にも消毒や入場記録を「お願い」している根拠もまた、敷地と里道の境界が確定していないことにあるのです。境界が確定していないからどこまでが敷地かわからない、ゆえに里道も敷地と同じように扱わざるを得ない、という理屈です。もしこれが通るなら逆に敷地すべてを公道と見なしてもいいはずですが、決してそうはなりません。

厳然たる事実として、村田養豚場では今や日常的に公道が作業場となっており、公道の不法占拠が続いています。それにも関わらず、奈良市は境界が確定していないからと見て見ぬふりをし、奈良県は公道も含めて衛生管理区域であるから問題ないとしています。

奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)による公道占拠に協力しているのは、奈良県家畜保健衛生所と奈良市土木管理課だけではありません。奈良市交通政策課と奈良市観光振興課もまた、敷地に人を近づけたくない村田養豚場を側面支援しています。ここで下地図を見て下さい。村田養豚場からまっすぐ南に伸びる道を行くと、県道33号にぶつかることがわかります(大きな地図を表示)。

県道33号に出てすぐのところに、2013年3月まで「浄瑠璃寺南口」というバス停がありました。かつては浄瑠璃寺観光の奈良側の玄関口として多くの人が利用したバス停です。このバス停は当尾の人が奈良に出るのにも長らく利用されていました。

そんな、当尾の人にとっても愛着のある「浄瑠璃寺南口」バス停は、2013年3月、突如「中ノ川東」に改称されてしまいました。ある人が奈良交通に改称理由を問い合わせたところ、これは奈良市交通政策課と奈良市観光振興課からの要望によるものとわかりました。

奈良交通にホームページの問い合わせフォームを通じ名称変更の理由について問い合わせた返答

タイトル
お問合せの件
日時
2015年1月26日(月) 午後4時36分
発信者
奈良交通(株) お客様サービスセンター

****** 様

 この度は、ご照会いただき、ありがとうございます。

 さて、お問い合わせの件ですが、以前は浄瑠璃寺に行くことが出来ましたが、現在は養豚場があり行くことは出来ません。

 バス停名変更前は、観光客が多数降車されて、迷うようなバス停名の変更の依頼を奈良市より受けました。

 当社と致しましても、以前より浄瑠璃寺へは浄瑠璃寺行きのバスを案内しておりましたので変更させて頂きました。

-----------------

奈良交通株式会社
乗合事業部
お客様サービスセンター
主任 東田行三
奈良市大宮町1丁目1番25号
℡ 0742-20-3100

奈良交通からの回答

タイトル
Re: お問合せの件
日時
2015年2月3日(火) 午後5時34分
発信者
奈良交通(株) お客様サービスセンター

****** 様

 返信が遅くなり申し訳ございません。

 お尋ねの件ですが、奈良市交通政策課・奈良市観光振興課よりの要望でございました。

 以上、よろしく取り計らい願います。

-----------------

奈良交通株式会社
乗合事業部
お客様サービスセンター

       主任    東田行三
奈良市大宮町1丁目1番25号
℡ 0742-20-3100

その経緯について奈良市交通政策課と奈良市観光振興課は次のように説明しています。浄瑠璃寺にたどりつけなかった観光客を周辺住民がたびたび案内せざるを得ず、苦情が寄せられたとのこと。

奈良市交通政策課からの回答

タイトル
Re:[質問]奈良交通の停留所「浄瑠璃寺南口」を改称するよう要望した理由をお聞かせください。
日時
2015年2月5日(木) 午後0時23分
発信者
奈良市交通政策課

****** 様

奈良市交通政策課です。

お世話になります。

この度のご照会についてでございますが、本件につきましては奈良交通㈱が命名していた旧「浄瑠璃寺南口」バス停留所で降車された観光客が、浄瑠璃寺にたどり着けず迷われることが多く、周辺住民の方々のご好意により、度々自家用車で送迎される事案が多発したことから、周辺住民の方々が奈良交通㈱宛てに対応を要望されておられたとの事です。

 しかし、奈良交通㈱からの回答がされなかったことから、奈良市に相談がよせられ、その要望内容について奈良交通㈱で対応いただくよう依頼したものです。

バス停留所の名称変更権限を持つ奈良交通㈱に聞きましたところ、社内で検討した結果、名称変更を判断されたとのことです。

ご返事が遅れて、申し訳ありませんでした。

奈良市観光振興課からの回答

タイトル
お問合せメールへの回答について
日時
2015年2月10日(火) 午後3時19分
発信者
奈良市観光振興課

****** 様

このたびは、奈良市へお問合せをいただき、誠にありがとうございます。頂戴いたしました内容について、観光振興課より回答いたします。
奈良交通「浄瑠璃寺南口」停留所の改称要望理由についてのお問合せでございますが、奈良市から奈良交通様に申し上げた理由として、浄瑠璃寺に奈良から向かわれる利用者より、「浄瑠璃寺南口」で降りた場合、近くに浄瑠璃寺が無くて迷ったというケースが多く発生したためです。停留所名が利用者にとって勘違いを生む要因となりました。更に、近隣の方が浄瑠璃寺への案内をお客様に求められるケースも多くあり、近隣の方にとって負担になっているためです。以上の内容を奈良交通様へご連絡させていただきました。

最後になりましたが、****** 様の今後ますますのご健勝をお祈りするとともに、引き続き、奈良市政に対しましてご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

奈良市観光振興課
℡0742-34-5135

浄瑠璃寺南口バス停から村田養豚場までは一本道です。そして、村田養豚場の敷地の間にある道を抜ければよいとさえわかれば、村田養豚場から浄瑠璃寺までもほぼ一本道です。すなわち迷う場所は、道が村田養豚場にぶつかる場所以外にあり得ません。村田養豚場以外の場所は、現在も道が保全されているからです。

実は、村田養豚場のすぐ近くから峠の林道までは、地域の方が毎年草刈りをして道を保全してきました(近年は村田養豚場の犬の放し飼いが酷かったため、養豚場間際の区間が荒れていました。しかし最近この区間もきれいに草刈りされました)。たとえ道の先で、村田養豚場の存在により通行ができなくなっていたとしても、この道はこの地域にとってなんとしても守り伝えたい道なのです。

さて苦情主の「周辺住民」とは誰なのでしょうか。ともあれ、観光客が迷うというのであれば、道標の設置でも対応できるはずです。そこで観光振興課になぜそうしなかったのか、ある人が再度問い合わせました。

奈良市観光振興課に再質問

タイトル
Re:お問合せメールへの回答について
日時
2015年2月10日(火) 午後3時49分
発信者
******

奈良市観光振興課 御中

ご回答ありがとうございます。

中ノ川、東鳴川の方に停留所名変更についてうかがったことがありますが、近隣の方が案内を頼まれ負担になっているという話は初耳です。

さて、旧浄瑠璃寺南口から北へ、浄瑠璃寺に向けて道があります。この道は途中まで私道ですが、私道の持ち主は一切通行を制限していません。その先は奈良市の里道となっており、県境から先は木津川市の里道となっております。

迷われる方が多いということでしたら、バス停に小さな地図をつけたり、浄瑠璃寺に向かう道沿いに道標を立てるという対応もあり得たかと思います。

停留所で降りた観光客が迷わないよう道標を立てる方が、「観光振興」に役立つように思うのですが、なぜ停留所名変更という対応になったのか、そのあたりの事情がおわかりでしたらお答えください。

浄瑠璃寺南口ルートを残した方が、当該停留所近くには実範上人御廟塔や応現寺があり、地域の魅力を伝えるきっかけにもなったでしょう。浄瑠璃寺南口を利用すると、加茂駅から浄瑠璃寺へ向かうのではなく奈良市側から浄瑠璃寺に入るということで、奈良市の観光地へも立ち寄る可能性が高いルートとなります。浄瑠璃寺南口から浄瑠璃寺までは1キロもありませんので、道標さえあれば10分ほどで浄瑠璃寺にたどり着きます。

このルートを利用する観光客が多かった頃は、浄瑠璃寺南口を終点とするバスが出ており、中ノ川地区の方々にとっても重要なバス路線だったと聞いております。現在では浄瑠璃寺南口からのアクセスが観光ルートと見られなくなったため、バスの本数が減らされていっそう不便になりました。地域住民のためにもならず、観光にも貢献しない、停留所名変更という対応を選択されたのには、何かよほどの理由があるのだろうと拝察いたします。

加茂側には「浄瑠璃寺口」というバス停がありますが、こちらの方がよほど浄瑠璃寺から遠い位置にあります。しかし、遠いのに名前が紛らわしいということで問題になったことはありません。

お忙しいところ申し訳ありませんが、以上お答えいただけましたら幸いです。

奈良市観光振興課からの回答

タイトル
お問合せメールへの回答について
日時
2015年2月20日(金) 午前10時47分
発信者
奈良市観光振興課

****** 様

前回、奈良交通が運行する路線バス停留所の名称変更(「浄瑠璃寺南口」から「中ノ川東」、平成25年3月17日)について、当課がその改称を奈良交通株式会社に対し要望した理由のお尋ねを頂戴し、その回答として「利用者の誤解・誤認識の頻発、およびこれに伴う周辺住民への問合せ増加による各所への負担を考慮したため」とご説明させていただきました。そして、さらに今回「なぜ停留所名変更という対応になったのか」とのお尋ねを頂戴いたしましたので、観光振興課より回答させていただきます。

当市が奈良交通株式会社へ要望した内容は前述のとおりでございます。その後、どのような経過で停留所名を決定したのかは、最終的に奈良交通株式会社の判断となりますので、当市では詳細については分かりかねます。誠に申し訳ございませんが、当市といたしましては、前回の回答以上にお答えできる内容はございません。

 たびたびお問い合わせを頂戴し、本市の観光行政に対し熱心なご興味とご懸念をいただいておりますこと、誠にありがとうございます。引き続き奈良市政へのご理解を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

奈良市観光振興課
℡0742-34-5135

奈良市観光振興課に再質問

タイトル
Re:お問合せメールへの回答について
日時
2015年2月20日(金) 午前11時54分
発信者
******

奈良市観光振興課御中

ご返答ありがとうございます。
お答えになっていないように思います。

当方がお伺いしましたのは、なぜ観光振興課が、観光客が迷うと理由であるなら道標や地図の設置という手段があり得たのに、そうした方法をとらず、停留所名変更を奈良交通に要請したのか、ということです。

奈良交通が停留所名を変更したのは、奈良市からの再三の要請があったからとわかっております。

「周辺住民への問い合わせ増加による各所への負担」とおっしゃられましたが、バス路線を利用する中ノ川や東鳴川の近隣住民の意見は聞かれたのでしょうか。

当方では奈良市から地元自治会等にそういった相談があったという話は把握しておりません。
特定の誰かが、市へ何回も苦情の電話を入れたので、それをそのまま聞き入れたということはないでしょうか。

二点お答えください。下記は最初の質問とは別の質問であることにご留意ください。

*道標や地図を設置して観光客が迷わないようにすることを検討したかどうか。検討したならそれを採用しなかった理由。
*停留所名変更を奈良交通に要請する前に、中ノ川自治会などに相談したかどうか。

以上よろしくお願いいたします。

奈良市観光振興課からの回答

タイトル
Re:お問合せメールへの回答について
日時
2015年3月23日(月) 午後2時41分
発信者
奈良市観光振興課

****** 様

 奈良交通の路線バス停留所の名称変更に関するお問い合わせにつきまして、ご回答が遅くなりましたことお詫び申しあげます。お尋ねのありました二点について、改めましてお答えいたします。

 まず「道標や地図設置といった方法の検討」についてですが、これは、当該停留所から浄瑠璃寺に向かう経路が私道を通っていることを理由に見送ったものです。観光施設への経路案内において、仮にその私道権利者のご厚意で「通行を制限しない」との申し出があった場合においても、私道を含む経路を案内、あるいは看板等製作することは、市としてはできかねるためです。

 次に、奈良交通への連絡前に「自治会への相談をしたか」についてですが、自治会等への相談は行っておりません。市では、当該停留所に関する誤解が少なからず生じている状況を、一つの情報として奈良交通に対し申し伝えたということでございます。停留所が、市の所管施設名を冠しているような限られた場合を除き、市が停留所名の変更を「要請」することはございませんし、当該停留所の名称について私どもが「再三の要請」を行った事実もございません。

 たびたびのお問い合わせを頂戴し、本市の観光行政に対し熱心なご興味とご懸念をいただいておりますこと、誠にありがとうございます。今後とも奈良市政へのご理解を賜りますようよろしくお願い申しあげます。

奈良市観光振興課
℡0742-34-5135

奈良市観光振興課は奈良交通に対し停留所の名称変更を「要請」していないと強調しています。もしかすると奈良市観光振興課は、「要望」はしたが「要請」はしていないと言いたかったのかもしれません。しかし、このメールをやり取りしていた人は、どちらも同じような意味だととらえ、そのことに気づきませんでした。それで最初の話と違ってきているように思い、奈良交通にもう一度確認した結果、下記回答がありました。

奈良市は「要望」していないと言っていることについて問い合わせた結果返ってきた奈良交通からの回答

タイトル
停留所名の変更について(ご返答)
日時
2015年3月27日(金) 午後5時50分
発信者
奈良交通(株) お客様サービスセンター

******ご担当者様

 この度は、お問い合わせ賜りありがとうございます。

 お客様サービスセンター長の米田が回答させていただきます。

 この度、浄瑠璃寺南口停留所名の変更につきまして、2月3日付の当社からの返信で奈良市交通政策課・奈良市観光振興課よりの「要望」とお答えいたしましたところ、奈良市観光振興課様からの回答が「当該停留所に関する誤解が少なからず生じている状況を一つの情報として、奈良交通に申し伝えた」との返信があったとのことでございますが、実情は、奈良市様に「何らかのご意見(当該バス停に関する誤解)」が寄せられ、奈良市様から停留所名を変更することの「検討の依頼」がございました。

 当社は奈良市様からそうした依頼があったということは奈良市様からの「要望」であったと解釈しておりましたので、「要望」と返答させていただいた次第であり、「検討の依頼」と訂正させていただきます。

 当時の担当者によりますと、奈良市様からの検討の依頼を受け、実際、浄瑠璃寺への道がどういった状況であるのかを確認いたしましたところ、道が途中で養豚場の敷地内に進入し、作業用の重機も往来しており、だれが見ても「これ以上奥へ進めない」状況であり、このような状況でお客様への案内に「浄瑠璃寺南口」は不適切であると判断したためです。また、奈良市様から依頼をいただく前にもバスをご利用の観光客から運転手に対し、「浄瑠璃寺へ行こうとしたが道が途切れいて、戻ってきた」とのご意見も頂いておりました。

 なお、「奈良市から再三の要請を奈良交通に対して行った事実」につきまして、当社への「検討の依頼」は1度のみでございました。

 停留所名変更につきましては、自治会の同意を得ることもございますが、原則は当社の判断で変更しており、前述のような状況でございましたので、自治会様にはお話しておりませず、当社の判断にて変更いたしました。また、名称を変更をしたことについて、その後、地元自治会やご乗客からご意見を頂いたことはございませんでした。
以上を回答とさせていただきますので、よろしくお願い申しあげます。

 
奈良交通株式会社
 乗合事業部
 お客様サービスセンター
  センター長 米田 佳弘
 奈良市大宮町1丁目1番25号
 ℡ 0742-20-3100

どうやら奈良市においては「検討の依頼」と「要望」と「要請」は大きく違う概念のようです。いずれにしても、周辺自治会や木津川市に何の相談もなく、歴史ある「浄瑠璃寺南口」バス停はその名前を消し去られました。これにより奈良側からの観光客が村田養豚場に近づく可能性はいっそう低下した事でしょう。

それも木津川市や木津川市民からこの道を通行できるようにしてほしいと、何度も奈良市に申し入れがあったさなかのことでした。なぜ奈良市は、奈良市の財産たる公道を誰もが通れるようにするのではなく、関連部署が一致団結して、道をなかったことにしてしまうのでしょうか。奈良市と奈良県はよってたかって一事業者の都合を優先し、市民の共有財産たる里道の機能を、無惨に見捨てているのです。

もう一点、奈良交通の回答には注目するべき点があります。奈良交通として「道が途中で養豚場の敷地内に進入し、作業用の重機も往来しており、だれが見ても『これ以上奥へ進めない』状況」と判断していることです(上引用下線部)。

つまり、公道であるはずの里道が敷地の一部にしか見えない状況ということです。それも長年親しまれたバス停名を変えなければならないほどの状況です。このような状況を公道の占拠・占用と言わずになんと言うのでしょうか。違法な公道占拠が放置されていることを示す重要な証言です。

FACT.4
赤田川下流の
水質汚濁

奈良市に隣接する木津川市議会では、奈良県と奈良市が推奨する奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)からの排水が、下流に著しい水質汚濁をもたらしている可能性について、長年にわたり何度も議論されています。

木津川市議会では村田養豚場の汚水処理が不十分であることが長年強く疑われてきました。村田養豚場は一時期浄化槽を設置したとされましたが、最近養豚場を訪問した人に「コストがかかりすぎるから浄化槽は設置しない」と話したようですので、現在は設置していないと見られます。

村田養豚場は奈良市と木津川市の境界にあり、村田養豚場からの排水はすべて木津川市を流れる赤田川に流れこみます。この赤田川は、奈良市水道の木津川取水口の少し上流で木津川に合流します。下写真は浄瑠璃寺奥之院瑠璃不動三尊像のすぐ前を流れる赤田川です。奥の白丸で示したあたりに、昭和に造立された瑠璃不動三尊像が見えます。写真では見えませんが、さらにその奥にある小さな滝に、鎌倉時代の線彫り瑠璃不動像があります。

浄瑠璃寺奥之院前を流れる赤田川

残念ながら、浄瑠璃寺奥之院がある谷は常に下水のような臭いが充満しており、冬場でも気分が悪くなります。下写真は2015年の大晦日に撮影された、浄瑠璃寺奥之院前の赤田川です。雨の後でもないのに川の水が茶色く濁り、ちょっとした落差でできた泡がなかなか消えないようすが見て取れます。この日の臭いはとりわけ酷く、谷の上にあるバス道にまで下水のような臭いが漂っていました。この写真を撮られた方は観光で来ていたそうですが、あまりに臭いが酷かったので、年が明けてから木津川市役所に苦情を入れてくださったとのことです。

2015年大晦日の浄瑠璃寺奥之院前を流れる赤田川

下動画は2016年5月18日午後5時半頃に、浄瑠璃寺奥之院の少し下流にある砂防ダムで撮影されました。水底からメタンと見られる気泡があがり、水面が泡だらけとなっています。臭いも酷く砂防ダムでできた池のそばにいると、気分が悪くなるほどだったといいます。

浄瑠璃寺奥之院下流にある砂防ダムは、水面近くまでヘドロで埋まっており、無数の泡に覆われ茶色く濁った水がゆっくりと流れ、ところどころに真っ黒なヘドロが浮かんでいます。山間の谷にある砂防ダムとは思えない、酷いありさまです。

浄瑠璃寺奥之院下流にある砂防ダム

赤田川北の地権者(Aさん)によると、養豚場の少し下流の山林の持ち主が、しいたけ栽培のため川からポンプで水を汲み上げていたが、糞尿やゴミですぐポンプが詰まるとぼやいていたそうです。実際、下流は糞尿のようなヘドロでひどく汚れています。下写真は、養豚場から400mほど下流の、小さな滝が連なるあたりで撮影されました。砂防ダムより上流であるためか、渓流にある水たまりにも、どろりとした茶色いヘドロがたまっています。撮影した人によると、谷にただよう滝しぶきが乾いて、葉っぱやあたり一面白い粉をふいていたとのことです。撮影した人は、帰宅後熱が出ました。

糞尿そのもののヘドロがたまる赤田川

こうした水質汚濁の原因として、木津川市議会で長年議論されている場所のひとつが、奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)です。木津川市職員も認めていますが、村田養豚場より上流では、水の濁りも臭いもほとんどありません。村田養豚場より下流に限って糞尿あるいはどぶ川のような臭いが酷いという現実があります。最近は特に日暮れごろ臭くなります。谷の上の尾根道まで臭いが漂ってくるほどです。外にいる人が少なくなる時間を見計らって汚水が流されているのかもしれません。

ただ、村田養豚場よりさらに上流の奈良市法用町に、不法に造られた産廃処分場があり、大雨が降ったときなどに、そこから染み出した未処理の汚水が流れ出すこともあるようです。そのため、木津川市も奈良市も、赤田川の汚れが酷いことを認めつつ、原因を特定できないとしています。

また奈良市は年4回行っている水質検査の平均で、村田養豚場の排水に何の問題もないとしています。木津川市はこれまでのところ村田養豚場への立ち入りが拒否されていますが、水質が酷い状態であることは認めつつも、基準値は満たしているとしています。

近年、村田養豚場は、オリジナルブランドの「郷Pork(郷ポーク)」を、人間の食べ残しを食べさせるエコな豚、奈良の自然豊かなむらざとで育んだブランド豚として盛んに宣伝しています。そして2016年5月には、西日本ハンバーガー協会が企画した「奈良バーガー」の必須材料にも選ばれました

郷Porkパンフレット表面

郷Porkパンフレット裏面

はたして浄化槽も設置せずに、これらのうたい文句にふさわしい環境対策は可能なのでしょうか。ちなみに下記は、畜産の情報-調査・報告-2003年10月 月報国内編「養豚に切っても切れない汚水処理」からの引用です。

放流できる処理水を得るためには浄化槽(活性汚泥処理施設)が必要である。養豚ではふんと尿を分離し、ふんはたい肥化、尿は浄化槽がメジャーな方法となっているのである。

なお、赤田川は当尾京都府歴史的自然環境保全地域に接しており、砂防ダムで作られた池の一部を含め浄瑠璃寺奥之院瑠璃不動像周辺は文化財環境保全地区に指定されています。

FACT.5
奈良を代表する
ブランド豚

村田養豚場(村田畜産/村田商店)の生産する「郷Pork(郷ポーク)」は、奈良県および奈良市のみならず、奈良のタウン情報誌や有名レストランからも支持される、奈良を代表するブランド豚です。

木津川市や周辺住民から村田養豚場の迷惑行為や不法行為に関して、さまざまな申し入れがある中、奈良市は村田養豚場の生産する「郷Pork」を、奈良のブランド豚として積極的に宣伝しています。下写真は奈良市役所奈良ブランド推進課の外壁に貼られた「郷Pork(郷ポーク)」のポスターです。

奈良市奈良ブランド推進課

2016年3月に奈良市観光センターで開かれた「第23回奈良まちなか市場 SAKE×HOME 奈良の地酒とふるさと納税物産展」でも、村田養豚場の「郷Pork」が奈良のブランド豚として誇らしげに売られていました。また奈良市は「ふるさと納税」の記念品に「奈良が誇る、流通量の少ない希少なブランド豚」として「郷Pork(郷ポーク)」を採用しています。

奈良市ふるさと納税記念品

大阪市も、2015年7月10日、村田養豚場に対し、優良食肉出荷者に対する感謝の意を込めて、市長感謝状を授与しています。

なお、大阪市に対し、木津川市議会で長年問題となっている農場と知った上で村田養豚場に感謝状を送ったのか問い合わせたところ、「大阪市として他の地方公共団体が管轄する内容について回答をすることができません」との回答を得ました。

タイトル
平成27年12月23日付けでいただいたご意見の回答について
日時
2016年1月6日午後4時19分
発信者
大阪市中央卸売市場南港市場

****** 様

平素は大阪市政にご協力いただき誠にありがとうございます。

このたび、平成27年12月23日付けでご意見をいただいた件ですが、大阪市として他の地方公共団体が管轄する内容について回答をすることができませんのでご理解いただきますようお願い申し上げます。

今後とも大阪市政に対しまして、一層のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

【本件に関するご質問・お問い合わせ先】
大阪市中央卸売市場南港市場
(担当:小島 電話番号:06-6675-2010)

また、村田養豚場は、農林水産省生産局畜産部飼料課がまとめた「各地域でのエコフィードの取組事例(PDF)」に奈良の事例として掲載されています(No.15)。事例として農林水産省に上げたのは近畿農政局です。

各地域でのエコフィードの取組事例 No.15

こちらについても村田養豚場の実態を知った上で事例に含めているのか問い合わせました。その回答がこちらです。エコフィードの利用は重要なので、他のことは関知しないということのようです。

タイトル
エコフィードの取り組み事例で紹介されている村田商店に関するご質問の回答
日時
2016年4月14日午後0時2分
発信者
近畿農政局

当局からの返信が大変遅くなりまして、申し訳ございませんでした。

家畜を飼養する際の衛生管理のため、家畜伝染病予防法第12条の3により定めた、飼養衛生管理基準の遵守につきましては、都道府県が家畜の所有者に対して指導及び助言をすることになっており、当局としては、奈良県畜産課(家畜保健衛生所を所管)に対して、丁寧な対応をとっていただけるよう、お願いしております。また、農林水産省消費・安全局動物衛生課からも、奈良県畜産課に対して助言を行っております。

一方、食品残さ等を原料に製造されるエコフィードの利用については、輸入に大きく依存している家畜用の飼料の代替となり、飼料自給率を向上させ、安定的な畜産経営を実現させるものであることから、当局としては推進しております。この推進活動の一環として、当局HPにおいて、近畿管内における特徴的なエコフィードの取組事例として4事業者の取組について紹介させていただいています。

エコフィードの利用については、資源の有効利用、食品製造業者における処理費用の低減、畜産農家側における飼料費の低減等のメリットもあり重要な取組でありますので、このような取組について何とぞご理解いただきますようお願いいたします。

このメールアドレスは回答専用です。
本メールに対しての返信にはお答えできませんのでご了承ください。

以上のように、奈良県も奈良市も農林水産省も、村田養豚場(村田畜産/村田商店)を、問題があるどころか、優良農場だと評価しています。

さらに、行政だけでなく奈良のホテルやレストランも「郷Pork(郷ポーク)」を高く評価しています。中でも奈良を代表するホテル「奈良ホテル」は、県庁食堂と同時期にいち早く「郷Pork(郷ポーク)」を採用しました。「Main Dining 三笠」のシェフ杉谷光弘氏は、新聞などの取材でも「郷Pork(郷ポーク)」に好意的なコメントを寄せています。奈良ホテルの「Main Dining 三笠」では、2016年6月現在も、村田養豚場が生産する「郷Pork(郷ポーク)」を、奈良ブランド豚としてメニューに加えています

奈良ホテルのランチメニュー「八重桜」

また奈良の地域情報誌「ぱーぷる」も、2016年1月、タウン情報全国ネットワークによる「地元編集者が選ぶ各県の旨い肉を読者プレゼント」企画に、奈良の旨い肉として「郷Pork(郷ポーク)」を推薦しています。

「地元編集者が選ぶ各県の旨い肉を読者プレゼント」企画

奈良の自然豊かな村里で育まれた 口あたりの優しい絶品ブランド豚

奈良の自然豊かな村郷で育てられた、ブランド豚「郷ポーク」。飼料は食品関連会社の協力のもと、野菜・果物・麺などを利用し、60年前から循環農法に取り組んでいる。肉の赤身は柔らかく旨味がありジューシー、脂の溶ける温度は人肌と同じで口当たりが優しく噛むと肉汁がじゅわりと広がり、素材の生命感あふれる豊かな味わい。

TJの日 地元編集者が選ぶ各県の旨い肉を読者プレゼント|タウン情報全国ネットワーク

そこで「郷Pork(郷ポーク)」を推薦した「ぱーぷる」の杉本さんに、その理由を伺いました。

地元編集者が選ぶ各県の旨い肉というコーナーに掲載する際に「郷ポーク」と「大和肉 鶏」どちらかがいいのではないかという案が出ました。編集部内で話し合い「郷ポーク」は奈良のブランド豚と呼ばれていること。そして今、様々なお店で使用されており、私たちも実際においしいと感じたお肉でもありましたので「郷ポーク」がいいのではないかという結論に至りました。

奈良において、「郷Pork」は「大和肉鶏」と肩を並べる、奈良が誇るブランド畜産物だと認められていることがわかります。下写真は、近鉄奈良駅近くのレストランに掲げられていたポスターです。

レストランに掲げられていたポスター

こうした高評価を受け、奈良市の生涯学習推進団体「奈良ひとまち大学」は、2014年6月に「奈良ブランド、郷ポークの挑戦 ~若き3代目が挑む、畜産とは?~」と銘打ち、村田養豚場(村田畜産/村田商店)の娘さんを「奈良ひとまち大学」の講師として招いて、「授業」を開催しています。ちなみに、「奈良ひとまち大学」のブログ「人と同じものを食べる豚?! ~その2~」では、犬の放し飼いが常態化している村田養豚場の異様な状況がそのまま報告されています。

FACT.6
何も変える気がない
奈良県と奈良市

2016年5月現在の現状を報告します。

実は、私たち「村田養豚場から赤田川と周辺環境を守る有志の会」は、2016年1月から3月にかけ、このページと同じような内容の手紙を方々に送りました。それで各方面より圧力があったのでしょうか。2016年3月ごろから村田養豚場では、放し飼いにされていた犬が、狭い囲いの中に押し込められるようになりました。

ただ見ての通り、ベニア板で作られたにわか作りの囲いの中や、建物の二階に犬を多数押し込めているのが実態です。このような飼い方が長続きするとはとても思えません。村田養豚場は、一日でも早く敷地境界を確定して、敷地を囲う板塀や柵を作り、明確に敷地と里道および他人地とを区分するべきです。

ところが村田養豚場は、敷地境界を確定して敷地の周りに板塀や柵を作ることを頑として拒んでいます。これまで、イノシシ除けに犬の放し飼いが絶対必要だと主張していたのですから、イノシシ除けのために、せめて敷地の周りにしっかりした柵を作ればよいと思うのですが、それはやらないのです。

板塀や柵で囲った敷地の中で犬の放し飼いをするなら、誰も文句を言わないのに、村田養豚場は、なぜかそうはせず、狭いスペースに無理矢理犬を押し込めています。不可解としか言いようがないことです。いずれほとぼりが冷めたら、元通りに放し飼いを再開するつもりとしか考えられません。

また、奈良県家畜保健衛生所は、「敷地の周りに柵を作るよう指導する」「今後犬の放し飼いをしないよう指導する」とは絶対に言いません。「規模に見合った浄化槽をつけるよう指導する」ことも拒んでいます。それどころか、奈良県家畜保健衛生所は、里道を含めた敷地全体を衛生管理区域とし、通行には入場記録と消毒が必要だとする、これまでの指導方針を撤回しようとしません。この指導方針は今も生き続けています。彼らは何一つ変える気がないのです。

現在、村田養豚場は敷地の間の公道を通る通行人を恫喝するようなことをしていません。しかしそれは、奈良県家畜保健衛生所の視点から見ると、あくまでも農場のご厚意で、本来通行が制限されるべき衛生管理区域に、「伝染病を恐れながらも」(これはある市議を通じ内々に伝えられた返答案に書かれていた文言です)、特別に「通行帯」を作っていただいている、ということなのです。しかも現状では、奈良県家畜保健衛生所の言う「通行帯」は何によっても衛生管理区域と区分されておらず、相変らず公道が占拠され続けています。

この先農場のご厚意がなくなれば、奈良家畜保健衛生所は、また平気で通行に際しては名前と住所を言うよう「お願い」するようになるでしょう。その可能性は今後も確保しておきたいようです。実は今までも、犬の放し飼いが問題となるたび、犬が一時的にどこかに押し込められ、徘徊犬が少なくなるということが繰り返されてきました。ですから、犬の放し飼いが収まったからと言って、素直には喜べません。今回も、知らないうちに放し飼いが再開されているということは十分あり得ます。将来の保証として、行政から指導方針転換の言質を得ることがどうしても必要です。

私たちは、奈良県家畜保健衛生所に、村田養豚場に対し次の5項目の指導をするよう要望しています。しかし奈良県家畜保健衛生所は、単に現状を説明するばかりで、今後どのように指導するつもりなのか一切答えません。

  • 里道の通行をいっさい妨げないよう指導すること。
  • 敷地を柵で囲い、常時里道の安全な通行を確保するよう指導すること。
  • 犬を放し飼いにせず、犬を飼う場合は、柵の中で飼うよう指導すること。
  • 規模に応じた浄化槽を設置し、排水の水質を十二分に改善するよう指導すること。
  • (必要あれば消毒等したうえで)奈良市保健所職員、木津川市職員、京都府職員の敷地への立ち入り(検査)を認めるよう指導すること。

そこでこれを読んでいるみなさんにお願いがあります。もし奈良市や奈良県の対応がおかしいと感じたなら、ぜひ奈良県と奈良市の担当部署に電話やメールをして、なぜこんなことをしているのか聞いてみてください。その受け答えからも、きっとこの場所の真実が見えてくることでしょう。

奈良県 家畜保健衛生所 業務第一課
電話:0743-59-1700
FAX:0743-59-1740
E-mail:kachiku-hh@office.pref.nara.lg.jp

奈良市 建設部 道路室 土木管理課
電話:0742-34-4893
E-mail:dobokuk@city.nara.lg.jp

村田養豚場(村田畜産/村田商店)が生産する
「郷Pork(郷ポーク)」は
あらゆる意味で奈良を代表する
ブランド豚です。