原告側証人調書
証人調書
(この調書は,第2回口頭弁論調書と一体となるものである。)
- 事件の表示
- 令和元年(ワ)第338号
- 期日
- 令和3年10月19日 午前10時00分
- 氏名
- 〈村田商店代表乙の父〉
- 宣誓その他の状況
- 裁判長は,宣誓の趣旨を説明し,証人が偽証をした場合の罰を告げ,別紙宣誓書を読み上げさせて その誓いをさせた。
陳述の要領
別紙反訳書のとおり
宣誓
良心に従って真実を述べ,何事も隠さず,また何事も付け加えないことを誓います。
速記録(令和3年10月19日 第2回口頭弁論調書)
- 事件番号
- 令和元年(ワ)第338号
- 証人氏名
- 〈村田商店代表乙の父〉
- 原告代理人(田中)
- 甲第20号証を示す。
-
-
これは間違いがない内容ということでよろしいですね。
-
はい。
-
- 甲第4号証を示す。
-
-
これは,〈東鳴川Cの亡父〉さんとの間で取り交わした土地賃貸借契約書ですね。
-
はい。
-
この賃貸借の目的は,何ですか。
-
家畜を飼育するために,それで借りたものです。
-
第1条で建物所有の目的と書いてあるけれども,建物を建てることも,当然,前提としているわけですね。
-
そうです。
-
そうすると,家畜のための建物を建てる,当然,山林を掘削して平地にする,それは前提になっていますよね。
-
そうです。
-
〈東鳴川C〉さんから土地を借りるときに,その土地がどの範囲か,山がどの範囲かということは、〈東鳴川C〉さんに教えてもらいましたか。
-
息子さんと〈東鳴川Cの亡父〉さんですか,亡くなった方ですが,二人と現場を立会して,ここからここまでということで,境界杭というのはなかったんですけれども。
-
境界杭はなかったけれども,現場を見に行ったわけですね。
-
はい。
-
現場を見に行って,何が境界の指示だと,〈東鳴川C〉さんは言っていたんですか。
-
その境界のところに,松の木が5本あったんです。それを境界として指示されました。
-
〈東鳴川C〉さんの土地と,それから,〈加茂町B〉さんの京都側の土地,山ですけれども,この山の生えている樹木は,違いがありましたか。
-
いや,一緒ですわ大体,雑地は。
-
どんな木が生えていましたか。
-
杉や檜や竹や,もういろんなものが生えていました。
-
雑木ということですか。
-
はい,雑木です。
-
その中に,松の木があったんですか。
-
そうです。
-
5本ですか。
-
5本,こうずっと固まってありました。
-
それは目立ちましたか。
-
結構,大きかったから,目立ちましたね。
-
それを歩きながら,境界だと指示されたわけですね。
-
そうです。
-
境界を示す図面を何か見せてもらいましか。
-
そんなん一切ないです。
-
当時の〈東鳴川C〉さんの山林の状況,あるいは,〈加茂町B〉さんの山林の状況,それは管理がされている状態でしたか。ほったらかしでしたか。どっちですか。
-
ほったらかしですわ。
-
山林を整地するのに,業者に頼みましたね。
-
はい。
-
何という業者ですか。
-
〈掘削工事をした建設業者〉です。
-
これは,専門業者ですか。
-
専門業者です。
-
どんな専門業者ですか。
-
土地関係とか,山を掘削することは,十分,今も経験上も,土木関係の業者です。
-
山を切り開くと災害の防止もしなければいけないから,斜面をどう取るかとか,掘削方法も綿密に考えなければいけないですね。
-
はい。
-
そういうことには,たけていた業者でしたか。
-
そうです。
-
〈掘削工事をした建設業者〉はどんなことをしていたか,覚えておられることがありますか。
-
具体的にですか。
-
例えば,どんなふうなことで調査していたとか,検査していたとか。
-
それは,各都道府県に、木津川市も,京都府も,奈良県のほうにも,皆行って,いろんな資料を集めて全部やっていました。
-
地形図なんかも見ていましたか。
-
当然,見ていました。
-
〈掘削工事をした建設業者〉さんの掘削の範囲について,あなたとしては,松の木5本のことは言いましたか。
-
当然,伝えました。
-
松の木は,今,残っていますか。
-
もう,今はないんと違いますか。
-
どこまで切り開いていいということを言ったんですか。
-
松の木まで。
-
松の木のところで切られてしまっているわけですね。
-
そうです。
-
松の木から超えて掘削しているということはありませんか。
-
それはないですわ。
-
それは見ていましたか。
-
私は見ていました。
-
松の木というのは,境界とおっしゃったけれども,山の地形からすると,どこにあるんですか。
-
もう雑木で。
-
どの位置ですか。低いところ,高いところってあるじゃないですか。
-
尾根ですね。
-
尾根というのは、一番高いところですか。
-
低いところです。谷間になっているんです。
-
谷間になっているんですか。
-
境界自体が,こう木と木が,かぶさったような形で。
-
山というのは,斜面だから,上っているんじゃないんですか。
-
当然,上っています。上っているところに雑木が生えておって,その雑木が,結局,重なり合っているんです。それが上から見たら,上からというか,うちの入り口のところから見たら,ちょうど,その山の尾根がちゃんと見えるんです。
-
尾根というのは,高いところでしょう。
-
尾根は高いです。
-
一番の山の高いところじゃないんですか。
-
尾根からずっと下のところの傾斜というんですか,それの境界のところの木と合わせて,望遠鏡で見ていたら,そのラインがちゃんと見えるんです。
-
松の木は,どこにあったの。
-
松の木は,その境界のところ。
-
境界というのは,高いところじゃないんですか。
-
高いところにもありましたし,その中間にもありました。
-
山というのは,こう奥行きの関係でも高いじゃないですか。
-
はい。
-
それから,幅でも,低い,高いとあるじゃないんですか。
-
はい。
-
私は,奈良市側から京都府を見て,奥行きのところで高いところじゃないかと申し上げているんです。
-
そうです。
-
尾根だからそうでしょう。
-
はい。
-
おっしゃっているのは,尾根があるけれども,両サイドは低くなるから低いところにもあったというおっしゃり方だね。
-
そういうことです。
-
掘削の仕方なんですけれども,まず,この有効の土地というのを作るじゃないですか,平地部分を。
-
はい。
-
平地部分を作って,それで,それより越えたところというのは斜面ですね。
-
斜面ですね,上っていますね。
-
斜面を上って,一番高いところを越えて掘削するようなことはありましたか。
-
そんなことは絶対ないです。
-
もし,そんなことをすれば,どうなりますか。
-
それは違反行為ですね。
-
向こう側に,滑り落ちてしまうね。
-
はい。
-
その掘削をしているときに,〈東鳴川C〉さんからの抗議はありましたか。
-
〈東鳴川C〉さん自身は,そんなん一切ないです。
-
〈加茂町B〉さんから抗議があったことはありますか。
-
私,直接にはないです。
-
誰から聞いたの。
-
それは、後から〈東鳴川C〉が言うてきたんです。
-
何といって。
-
今ちょっとトラブルでもめているさかいに,ただ,それだけの話です。
-
トラブルでもめているというのは,誰と。
-
〈東鳴川C〉と〈加茂町B〉さんと。
-
トラブルがあって,あなたの掘削行為が文句を言われていると,そういうことですか。
-
そうでしょうね。
-
そういうことを〈東鳴川C〉から聞いて,あなたはどうしましたか。
-
〈東鳴川C〉に境界の確定をはっきりさせてくれということは言いました。
-
それで,具体的には,どういう手続を執ったか。
-
〈東鳴川C〉は一切それに無関心でした。
-
それで,どうしたの。
-
それで,私が奈良家庭裁判所に調停を申し立てました。
-
調停だから,簡易裁判所かな。
-
はい。
-
簡易裁判所に調停を申し込んだんですか。
-
はい。
-
調停は,何回なされましたか。
-
2回ですね。
-
〈東鳴川C〉は,この問題について,積極的に対応してくれましたか。
-
一切しません。
-
2回で,どうなりましたか。
-
もう話が成立しませんでした。
-
- 乙第104号証を示す
-
-
その調停のときに,乙第104号証の添付図面,これは,〈東鳴川C〉から提出されて調停委員から見せられたことはありますか。
-
こんなものはないです。
-
見たことがなかった。
-
はい。
-
この調停で,調停委員さんと一緒に現地に行ったことはありましたか。
-
いや,ないですね。
-
平成19年に,今度は〈加茂町B〉さんたちから不動産侵奪罪で告訴されたことがありますね。
-
ありますね。
-
逮捕はされましたか。
-
いや,されていません。
-
この捜査,警察とか検察に対して,あなたは,どういう主張をしましたか。
-
検察にですか,警察ですか。
-
どっちでもいいです。
-
木津警察署には,当然,私は〈東鳴川Cの亡父〉さん,今は亡き〈東鳴川Cの亡父〉さんですけれども,その方と,息子が私と同年代ですけれども,その方と3人で,境界線をちゃんと確認しに行きました。まだ掘削する前,借りるとき。そしたら,ここからここまでということで,うちは掘削しました。それで,今見せていただいた書類,〈東鳴川C〉とか。
-
まず,そういった,ちゃんと現地で指示をされた,そういう話をしたんですね。
-
はい,しました。
-
この乙第104号証の図面は、警察なり検察庁から見せられたことがありますか。
-
一切ないですわ。
-
このことで話が何かあったんじゃないんですか。この図面について,警察か 検察庁が,何か言っていませんでしたか。
-
そんなん、一切言いませんわ,両方とも。
-
この図面が信用できるのか信用できないかについて,何か言ってなかったですか。
-
それは,検察庁のほうが言いました。木津川市が作成した里道と境界線に関しては,今更,こんなん出されてもしゃあない話やというて,検察庁から。
-
今更,出されてって,どういう意味ですか。
-
私が起訴というか,何というんですか,〈加茂町B〉さんから,結局,侵奪罪で訴えられて,調べられて,検察庁に行ったんですわ、呼ばれて。
-
だから,今更というのは,あなたの掘削をしていた時期と,これが作られた時期,これは,どちらが早いんですか。
-
私のほうが早かったです。
-
今更,こういうことでは,この図面は信用できないと言ったんですか。
-
当然,そう言われました。
-
結果としては,不起訴になりましたね。
-
不起訴です。
-
これは、起訴猶予ではないんですか。
-
いやいや,不起訴です。
-
検察からは,どのようなアドバイスを受けましたか。
-
これ以上,トラブルのないように,掘削は、もうここでやめたほうがええでと。
-
それ以上するつもりはありましたか。
-
いや,ないです。敷地内が,平らな場所が確保されていましたので。
-
今まで掘削していた部分について原状回復したほうがいいというような指示は,検察庁から受けましたか。
-
いや,警察も検察庁も,そんな話は一切ないです。
-
野焼きを告発されて、逮捕されたことがありますか。
-
あります。
-
これは,野焼きはどこでしていたんですか。
-
502の〈東鳴川C〉の敷地内です。
-
そうすると,〈加茂町B〉さんの京都の土地とは、一切関係ないところですね。
-
全然関係ないところです。
-
元々,〈東鳴川C〉さんから借りていた土地ですね。
-
そうです。
-
平成20年に,〈東鳴川C〉さんから東鳴川502の土地の不法の掘削があったという裁判がなされたことがありますね。
-
はい。
-
そのときに,〈東鳴川C〉さんは、自分の502の土地だけじゃなくて,隣地の〈加茂町B〉さんが所有する木津川市の土地も越境して掘削しているというふうな主張はなされましたか。
-
そんなことは一切ないです。
-
それで,〈東鳴川C〉さんの土地に関する不法掘削について,裁判の結果はどうでしたか。不法掘削ということに関して,裁判は,どういう結果でしたか。
-
不法掘削に関しては、一切、何もとがめられることはなかったです。
-
それで,逆に,この裁判で,あなたのほうが反訴しましたよね。
-
はい,反訴しました。
-
反訴の内容を見てみると,不法掘削と言われたら,畜産業ができなくなるので,賃貸借契約を解除するという主張のようなんですけれども,それに間違いないですか。
-
間違いないです。
-
その反訴はどうなりましたか。
-
私が,奈良地方裁判所で5000万円の勝訴をしました。
-
その後は。
-
後は,高裁のほうで、極端に言ったら無効みたいな感じになりました。
-
ということは、向こうが訴えたことも,向こうは不法掘削だから賃貸借に反している,こちらのほうは,そんなことを言われるから賃貸借を解除する,どっちの話も認められなかったんですね。
-
そういうことです。
-
そうすると,あなたの認識としたら,この裁判の結果は,賃貸借契約は続いているという認識でしたか。
-
そうですね。
-
当時の代理人の弁護士先生からは,この後,どうするべきかと言われましたか。
-
賃貸契約を続けるか,それとも,もう買い取りなさいと言われました。
-
そういう交渉は,誰がしましたか。
-
私の娘が,後を続いてやりました。
-
その後,畜産業の経営は,ずっと続けているわけですね。
-
そうです。
-
〈東鳴川C〉さんから,その土地について,明渡しを求められたことはありますか。
-
そんなことは一切ないです。
-
本件の記事なんですけれども,山林侵奪,他人地占有と書かれていることは,本当ですか,虚偽ですか。
-
こんなもの虚偽に決まっています。
-
この件は裁判になっています,というふうに書かれて,その結果が書かれて いないことについて,どうですか。
-
ただ,腹立たしいことは腹立たしいことで、ここまで。
-
裁判になっているというところで止められて,その〈東鳴川C〉さんの主張が認められなかったということが書いてなかったことについては,どうでしたか。
-
どうでしたかというのは。
-
不満でしたか,どうでしたかということです。
-
もう腹立たしいだけです。
-
起訴猶予と書かれているんですが,これは本当ですか,虚偽ですか。
-
虚偽に決まっていますわ。
-
〈東鳴川C〉さんとの賃貸借契約が,いかなる観点からも無効と書かれているんですが,それについては,どうですか。本当ですか,虚偽ですか。
-
賃貸契約が無効なら,今,〈東鳴川C〉から土地を買うこともできなかったですよ。
-
それで,刑事事件のことも書かれ,不法占拠,不動産侵奪と書かれ,このようなことは,あなたの名誉に関しては,大きな打撃でしたか。
-
打撃も打撃ですわ。
-
この記事の影響なんですが,取引先には,どんな影響がありましたか。
-
かなり損金が出ました。
-
どんな影響ですか。
-
やっぱり,いろんなところから問合せが入って,それで,奈良バーガー,〈テレビ芸人〉というのが,私,友達なんですけれども。
-
〈テレビ芸人〉という芸人がいるね。
-
奈良バーガーをやったんですけれども,そこのことも書き込んだり,むちゃくちゃされましたわ。
-
それで,〈テレビ芸人〉の店はどうなったんですか。
-
〈テレビ芸人〉の店は,もうつぶれました。
-
〈テレビ芸人〉の店は、あなたのところの豚を仕入れていたわけですか。
-
そうです。
-
そこまで影響があったわけですね。
-
そんなん、むちゃくちゃありました。
-
それから,従業員に対しては,どうですか。
-
従業員の母親がインターネットを見て,こんなことをやっているんやったら,こういう詐欺的なことをやるんやったら,もう,勤めに行くなと言われて,一人辞めました。
-
ハローワークとの関係は。
-
ハローワークも,せやから,そういうネットが出ている以上,紹介も,やっぱり,じづらいということで言われていますね。
-
- 被告代理人
-
-
あなたが,この赤田川の北側の山林を掘削したのは,平成14年から平成19年の末頃に掛けてですか。
-
そうです。
-
- 乙第145号証を示す。
-
-
これは,2008年だから,平成20年の航空写真ですが,当時の状況についてお聞きしますが,この写真で山が削られているところと,川が,川沿いに平らになっているところは,これは,基本的には,あなたが掘削された場所だということで間違いないですか。あなたが,当時の掘削されたところは,この写真で言うと,どこですか。
-
当時,私が掘削したんではないですよ。〈掘削工事をした建設業者〉が掘削しました。
-
どの辺りを掘削されたか覚えておりますか。
-
掘削はこの間です。(このとき指示した)
-
この間というのは,そうすると,この丸く,段々になっているところも含んで,この真ん中南側は工場がある辺りですね。
-
はい。
-
- 裁判長
-
-
南側の工場というのはどれですか。写真は,北が上ですか。
-
川を挟んで,豚舎側です。長い建物が建っている,ここの。
-
- 被告代理人
-
-
川というのは,この線が入っていますね。
-
線じゃなくて,これは,もう,雑木が生えた谷間に,この水路が流れているということです。だから,線じゃなくて,これはあくまでも河川ですよ。
-
掘削されたのは,河川の北側という理解でいいですか。
-
- 裁判長
-
河川というのは、写真の表示では。
- 被告代理人
-
緑の線が,真ん中辺りに,ずっとすっと入っていますよね。
- 裁判長
-
丸い部分の下の弧を描いている部分ですか。
- 被告代理人
-
-
はい。そこより北,この間のところに。
-
いや,これが里道ですよ。これが河川ですよ,こっちへ。
-
この河川の北側ということでよろしいですね。
-
- 裁判長
-
-
河川というのは,結局,どれですか。緑の中心の円の部分の下の孤を描いている緑の線の部分を河川と言われているんですか。その北側を掘削しましたということですか。
-
これは,北南じゃないですよ。
-
この写真で,どこを掘削したかということなので,この写真で分かるように。
-
今言うてはるのは,ここが河川やろということを言うてはるんですわ。これは河川ですと言っています。線が入っていますと言わはったけれども,線じゃなくて,これは河川です。
-
それが何かというより,あなたが掘削したのはどこですかという質問なので,どこという答えになるんですか。
-
だから,この部分を掘削しました。(このとき指示した)
-
真ん中の丸い部分ですか,肌色になっている部分ですね。
-
そうです。
-
- 被告代理人
- 乙第146号証を示す
-
-
これが,グーグルマップで2021年,つまり,今年の令和3年3月頃ですね。
-
今年の3月ですね。
-
今年の3月頃の状況としては,このような状況になっているということで間違いございませんか。
-
はい。
-
そしたら,あなたが,先ほど言われた平成14年から掘削し始めたときに,あなたの御主張では,自分ところの借りている敷地を削ったんだという御主張ですね。
-
はい。
-
元々の山を掘削するということであれば,しかも,あなたの御主張でも,隣接地に入ってということではないということは。
-
意味が分かりません。
-
あなたが平成14年に掘削されるに当たって,隣接地の所有者である〈加茂町B〉さんらには、一切,相談も,挨拶もしていないね。
-
それは,私じゃなくて,〈東鳴川C〉がするべきことです。
-
- 裁判長
-
-
あなたがしたか,していないか。
-
私はしていないです。
-
- 被告代理人
-
-
その後,掘削をされて,〈加茂町B〉さんらは、あなたに対して掘削中に,〈東鳴川C〉さんのことを聞いているんじゃないですよ,〈加茂町B〉さんらも何回も抗議をされていますね。
-
抗議というのは,平成16年まではなかったですね。平成14年から掘削して,〈加茂町B〉さんらが山に来られたのは,平成16年以降です。
-
そうすると,あなたが初めて抗議を受けたのは、いつだという認識なんですね。
-
それは定かじゃないです。16年以降は間違いないです。
-
いつかは定かではない16年以降だということですね。
-
はい。
-
それで,平成19年に〈加茂町B〉さんたちから刑事告訴をされましたね。
-
そうですね。裁判長,ちょっとよろしいですか。今のこの内容というのは、遠藤の結局インターネットに対する問題ですやろ,うちが提起しているのは。それが,地権者同士の話は。
-
- 裁判長
-
あなたは質問に答えるということで証人に来てもらいましたので。
- 被告代理人
-
-
その告訴の結果なんだけれども,あなたは,起訴猶予じゃなくて,不起訴だと。
-
そうです。
-
おっしゃっているけれども,あなたは御存じなければいいんだけれども,不起訴の中には、起訴猶予もあれば,嫌疑不十分もあれば、嫌疑なしもあるんですけれども,それは御存じですか。
-
知りません。
-
じゃ,不起訴の中身が,どの中身で不起訴になったのか,あなたは御存じないわけですね。
-
私,知りません。
-
〈東鳴川C〉さんが,あなたのほうに対して裁判をされて,あなたが反訴をして,その一連の経過は,先ほどお聞きしましたけれども,あなたは,反訴のときに,〈東鳴川C〉さんとの契約を解除されていますね。
-
はい。
-
それ以降は,賃料は払っておられないんですね。
-
払っています。
-
最後の売買のときに精算されたということじゃないんですか。
-
〈東鳴川C〉がもう思うように使っておいてくれという,私に,直接,そういう話でした。
-
だから,当時は払っていませんよねということをお聞きしたいんですが。
-
当時というのは。
-
解除された以降。
-
裁判になったときは払っていません。それは払いに行ったら,〈東鳴川C〉が,もう思うように使っておいてくれということやったから。
-
- 乙第144号証の別紙1を示す
-
-
平成19年に,木津川市や警察の方なんかも,たくさん来られていたそうですけれども。
-
そうですね。
-
それで、ヘリコプターも飛んでいたような大掛かりな境界確定作業だったと思うんですが,あなたは地権者ではないですから,直接の関係者ではないですが,〈東鳴川C〉さんも入って大掛かりな作業が行われた上で,今,お示ししているような境界確定が行われたということは御存じですね。
-
これはやっていましたね。
-
- 乙第144号証の別紙2を示す
-
-
この別紙1の線というのが,方角が,上が南で、下が北という理解ですね。
-
はい。
-
別紙2は,普通の航空写真だから,文字は普通に見て,上が北という理解でいいですね。
-
はい。
-
この平成19年の境界確定の線が,この別紙2でいうと,201の赤のところと300,これは山の掘削面の頂上ということですが,この二つを結んだ線であるということであれば,この別紙2を見ていただいたら分かるように,およそ590米ぐらいが,あなたが,〈加茂町B〉さんたちの土地を侵害をしているということになると思うんですが。
-
この点は抹消されていますやろ。(このとき指示した)
-
あなたがおっしゃったのは,別紙1の201と300を結んだ〈加茂町B〉さんと〈東鳴川C〉さんの境界線,つまり,今で言うと〈加茂町B〉さんと村田さんの土地との境界線,それについて,木津川市の表示でも抹消されているということを言わはったのかな,今。
-
だから,うちは抹消されて確認した上で,〈東鳴川C〉から購入しています。抹消されずに,この図面を出されても,私が購入したときは,この図面はもう抹消された時点で,私は購入しています。先生,分かりますやろ。
-
あなたが,今おっしゃったのは,もう,自分が購入したときには,この境界は抹消されたので買ったということをおっしゃったんですか。
-
そうです。当然,不備な境界線やから,それは木津川市も認めていました。
-
あなたが木津川市に抗議をして,それで,木津川市が抹消してくれたという認識ですが。
-
私が抗議したのではないです。
-
あなたは,抗議をされてないの。
-
私は木津川市にちゃんとした回答をしてくれというて,抗議じゃないです。これは,あくまでも,こういうものがあれば,うちは購入できひんから,もう一度,再度ちゃんと確認しなさいと,木津川市に,こういうことを書いていいのかということを。
-
木津川市の〈加茂町B〉さん側がお聞きをしたりしている説明では,この201と300の線というのは,県境でもあるんですよね,奈良県と木津川市の。それはそのとおりですね,それは分かりますね。
-
府県境です。
-
府県境としては,この平成29年の立会は,奈良県が立ち会ってないので,それで,府県境としては、一旦,抹消するけれども,当時の民民の境界,〈東鳴川C〉さんと〈加茂町B〉さんの境界としては,この境界は生きているという見解を〈加茂町B〉さんたちは聞いているんですけれども,あなたは,そのことについては御存じないですね。
-
そんなことは,私は全然知りません。
-
この〈加茂町B〉さんたちが告訴をした時点について,あなたの証言では,検察官から大体,時期で言うと,平成20年の1月頃ですかね,近隣ともめないほうがいいと指導され掘削を中止したということは,その趣旨のことをおっしゃっていますね。
-
そうです。これ以上,掘削はせんほうがトラブルにならへんからということだから。
-
そうだけれども,あなたは,原状回復は指導されてないと。
-
そんなん一切ないです。
-
検察庁がそこまで指導するというのは,一般にも考えられないんですけれども,このときは,先ほどの平成19年の境界確定が,警察も入ってそれが終わった後のことですね。あなたが不起訴,これは起訴猶予かどうかともかくとして。
-
起訴猶予どうのじゃなくて,不起訴ということで,私は確認しているんです。起訴猶予とか何やとか,それはおかしい話じゃないんですか。
-
その質問はさっき確認しましたので,繰り返しはしません。あなたが,検察庁のほうから,近隣関係でもめないほうがよいと言われたのは,既に先ほど申しました大がかりな境界確定が終わった後のことですね。平成19年に,乙第144号証の別紙2の土地の境界確定が終わった後のことですね。
-
それは知りません。そんなん知っているわけがおまへんがな。
-
平成19年の境界確定の際には,あなたは,まあ,地権者じゃないから,当時は,直接の地権者じゃないんだけれども,だから,立会い自体には呼ばれていませんでしたね。
-
何がですか。
-
平成19年の境界確定をしたときに,あなたは立会いには呼ばれていませんでしたか。
-
一切,呼ばれていません。
-
立会いには呼ばれてないけれども,現地に行かれて,いろいろ説明とかはされていたんですね。
-
説明はされていましたね。
-
というか,あなたは現地には行っていますよね,立会のとき。
-
それは,当然。
-
- 乙第83号証を示す
-
-
これの4ページが,先ほどの乙第144号証の別紙2と同じものなんですけれども,この乙第83号証を見ますと,後のほうにいろいろ写真が付いているんですけれども,24ページの写真を示しますが,この右上の写真に,あなた自身も写っていますか。
-
これが私やね。(このとき指示した)
-
この後ろ姿の青いズボンの方が村田さんですね。
-
はい。
-
この青い服の人たちというのが,結構いるんだけれども,これは,警察なんかな。
-
それは分かりません。
-
分からないですね。
-
はい。
-
- 乙第144号証を示す
-
-
これは,今,本件土地2の地権者の方々から,境界確定と損害賠償を求めた 訴訟が京都地裁に提起されているんですが,これは,あなたは御存じですか。
-
これは,何か私個人にも来ていましたね。
-
そうですね。あなたに送っていましたね。御存じですね。
-
はい。
-
別紙2を示しますが,あなたの認識を聞いておきたいんだけれども,先ほどの平成19年の民民境界の確定線,これは,201と300を結んだ線ですね。
-
はい。
-
これが,〈東鳴川C〉さんと〈加茂町B〉さんたちの間の境界線,所有権の合意線でもあるん だけれども,とすると,その北側のあなたたちが使っている土地,これは,境界を侵害しているということになると思うんですけれども。
-
なるわけないですわ。
-
あなたの主張される境界というのは,どこになるわけですか。
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境界は,昭和58年に京都府と奈良県が府県境を川の手前まで,府県境をちゃんと明示されているんです。その点のこの一番最終がA点,この川を渡ったここがA',そのA'と,結局,こののり面を結んだところ,だから,被告の遠藤が,奈良市東鳴川町の役所へ図面を取りに行ったというのも,私は確認していますので,それに公図にちゃんとそういうふうな図面じゃなくて,それも,航空写真の中に線を入れるというのは,あくまでも,土地家屋調査士がちゃんと確認した上でやらんと,ただ単に素人がそうやって航空写真に線を入れて,それが境界ですというのは,何が境界ですか,それは通用するものと違います。
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今,遠藤さんのことを言っているわけじゃないですよ。
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遠藤ですやんか。それをやったのも遠藤ですやろ。今のこの裁判も,遠藤の裁判です。境界の話みたいなん,民民の話です。
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ただ,遠藤さんが言っているのは,あなたが,境界を越えて占拠しているということについて,真実,若しくは,真実相当たる理由があるというのが,この裁判なんですよ。
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だから,被告遠藤に対して,そこまで言われる筋合いは一切ないですわ。そういうことですやろ,先生。この土地の境界が,どうのこうのという話は,あくまでは,民民の話であって,今のこの裁判に関して,何の関係あるんですか。
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あくまでも,そうすると,土地の境界は民民の話であって,〈東鳴川C〉さんと〈加茂町B〉さんたちが,どこで合意でしたかということの問題だということですね。
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そうですわ。それが結局先生のほうから出された京都地裁のほうに,今出されたやつも,その前にちゃんと書類出ていますやろ,私個人宛てにも。だったら,それはあくまでの土地境界に関する話で,今のと同じ話なんですやん。今は,遠藤の話をしているんと違いますの。土地境界の話なんか関係ない話です。
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それを認識した上での質問なんですけれどもね。
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認識されているんですか。
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認識していますよ。
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認識されていたら,何でそんな質問が出ますの。
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- 原告代理人(田中)
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不動産侵奪罪で告訴されて,あなたは不起訴だとか起訴猶予という言葉は,専門家じゃないから知らないと思うんだけれども,結果,検察庁からどう言われたか,あなたは、不動産を侵奪しているけれども,まだ1回目だから,今回は許してやると言われたのか,あなたは,不動産を侵奪しているとは認められないと言われたのか,どちらですか。
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認められないということやから不起訴になったんですわ。
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認められないということだったんですね。
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そうです。
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それは,起訴猶予ではないんですよ。嫌疑なしとか嫌疑不十分なんです。ということは。
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- 被告代理人
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今の質問の仕方に異議があります。検察官からどう言われたかということと証人が思っておられることとの混同があって,証人のほうは,不起訴だから侵奪していないというふうな認識であって。
- 裁判官(糸賀)
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あなたが,不動産侵奪罪で警察とか検察官にお話を聞かれているときに,結局,この土地の境界がどこなんだとか,そういう話というのは,検察官とか警察とかされたことはありますか。
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あります。
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それは,どこというふうに言われたんですか。
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私は,〈東鳴川C〉から,亡き父と今の私と同年代の前の持主,相続人,その〈東鳴川C〉から,3人で境界を立会いしたときに,境界の杭は入ってないけれども,ここが峰の境界やと言うて,古い松の木が5本ほど入っておったんです。そこが境界やと言われたから,私はそこまで削ったんですわ。
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警察とか検察官から,あなたがそれを越えてしまっているだとか,そういうことを具体的に言われたことはあるんですか。
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一切ないです。
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言われなかったですか。
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言われなかったです。
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特に,境界が,具体的にここなんだというのは、さっき言った松の木が立っていると。
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その当時に,奈良市東鳴川町の旧公図を私持っていったことがあるんですわ。境界線が全部載っています。今,先生が提出されたのは,遠藤が作った図面であって,私が警察に提出したときは,その当時,奈良と京都府の府県境の公図があったわけですわ。明治20年か何かに作成されています。それを私検察庁と警察に持っていって,私がどこを侵奪していますんやということで,大分話ししたことがあります。
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- 乙第144号証の別紙1を示す。
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あなたが考えている府県境は,どことどこを結んだ点だと思っているんですか。
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この図面では,ちょっと説明が付きにくいので,これが抹消された図面ありませんか。
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- 甲第7号証の4を示す
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これだったら説明できますか。
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202と108,その横ですね。それが府県境になります。
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202から,この図で言う左側は,どういう境界になるんですか,東側。
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それが,京都府と奈良県の府県境になります。
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どういう線になるんですか。分からなければ分からないでいいですが,あなたが見たという境界が,202から左側にどう伸びていくのかなと。
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この里道のここに河川がありますので。
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ここというのは。
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108のA'と書いていますね,A'が昭和58年の京都府と奈良県の府県境の渡りの確定されたA'なんです。
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あなたが言っているのは,あなたが見た府県境というのは,202と108の線のことを言っているんですか。
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その抹消されているところですね。
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- 裁判長
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あなたが境界だと認識している松の木が5本ぐらいあるんですか。
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はい。
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それは,今もあるんですか。
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今は倒れていますね,倒れているし。
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倒れてるけれども,生えていたところに倒れているから,あるのはあるんですか。
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上のほうは全部残っていますね,まだ。それは20年ぐらいになりますから。
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なので、倒れている松の木辺りが,あなたがここだというふうに指示された境界ということですか。
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そうです。
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その松は,何で倒れたんですか。
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まあ,松のところまで掘削して行っていますから,当然,風とか。
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松の木が境界だから,それを越えては掘削してはいけないですよね。
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だから,それはしていないです。
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その松の木がどこにあるのかというのは,先ほど示した図で説明することはできますか。
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- 甲第7号証の4を示す
- 原告代理人
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この図は分かりますね。
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はい。
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どこら辺ですか。
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108から310,そちらに向いて行って,それからこの2番、この大体尾根ですわ、こういう形です。
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- 裁判長
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108と310を結んだ線のことを言っているんですか。まず,松の木がここですと指さしできるんだったら,してください。できないんだったら結構です。
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私の記憶で,説明できるのは310,その木は里道から見えましたから。
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まず,310のところに,松の木が1本立っていたんですか。
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そうです。それが,1本目か2本目かちょっと定かではないです。
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そのほかの松の木というのは,この310から見て,どの方向に生えていたんですか。310より,この図面で言うと,上とか下とか左とか右とか。
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これは,完全に右のほうへ行っていました。
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この「令和2(2020)年木津川市市有土地境界再確定図」という緑の字のあるほうに向かって松の木が生えていたんですか。
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そういうことですね。
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〈加茂町B〉さんから,平成16年以降,掘削について抗議を受けたと,何回か受けたんですね。
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16年以降,私,直接にですか。
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はい。
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それは,そこの御主人と〈長尾2共同所有者L〉さん外2名の方が来られて,土地の境界知っているのかということで。
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それは,あなたが掘削の作業を重機か何かを使ってやっているときに来られたんですか。
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それは業者がやっていて,私は畜産関係ですから,畜産のほうの仕事をやっていまして,それで〈加茂町B〉さんとその当時,〈長尾2共同所有者L〉さん二人が来られて,3人で話をされていて,〈東鳴川C〉を連れてきてください。
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来られたんですね。
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はい。
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〈加茂町B〉さんの関係者の方が。
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たしか来られましたね。
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掘削についてやめてほしいと言われたんですか。
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そんな話は,私には一切しません。
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境界知っているのかというようなことは聞かれたんですか。
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境界をちゃんと確認してくれているかということは言われました。
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何と答えましたか。
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私は聞いていますと言いました。
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その境界がどこかというような説明をされたんですか。
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そうです。
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抗議された方は,それで納得されたんですか。
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そら納得したのか,していないのか知りませんけれども,していないから,私,告訴されたんと違いますかね。
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そういった抗議が,あなたところに直接来て,何か尋ねるというのは,何回かあったんですか。
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尋ねることは,1回もなかったです。
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尋ねるというか,あなたのところにものを言いに来ることは何回かあったんですか。
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それが1回です。
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1回だけですか,後にも先にも。
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はい。
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甲第20号証であなたは陳述書を出されていますけれども,そのときに,境界について,陳述書には「明確な境界標等は一切なかった」というふうに書かれていて、松の木という話はされてないんですけれども,それは,なぜ陳述書を作るときには,その話を代理人に言わなかったんですか。
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検察庁で話しして,そんなん不起訴になっていたさかいに,別に必要ないやろうと思ったんです。
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陳述書では「樹木の塊りや成育状況など,林相に差異が見られたので,私が,それが,山林の境界だと認識することができた」と書かれているんですが,その松の木の話と林相の違いの境界の話と,どちらが正しいんですか。
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両方ともですわ。
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松の木も生えていたし,樹木が生えている状況も違っていたんですか。
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そうです。
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先ほど,樹木の生えている状況を原告代理人に尋ねられて,それは違いはなかったというふうに答えられたように思うんですけれども。
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違いがないというのは、雑木やから違いがないですけれども,境界に関しては,皆,こういうふうに折り重なっているんですわ,山のせいというのは、ずっと。だから,それが,私は,そういう意味で言うているんです。
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松の木が生えているところに向かって,それぞれそっちの方向に折り重なるように両方から木が生えていたので,それをもって林相の違いというふうに言っているということですか。
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そういうことです。そやから,平成14年から掘削していますから,平成14年前の航空写真を見てもらったら全部残っています。
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奈良地方裁判所 裁判所速記官 櫻井 正美