乙第138号証

令和元年(ワ)第338号 損害賠償等請求事件
原  告  株式会社村田商店
被  告  遠藤 千尋

陳述書

2021(令和3)年6月11日
氏名:〈浄瑠璃寺住職〉
  1. 私は、2016(平成28)年5月1日付にて、浄瑠璃寺住職の任を拝命しましたが、それ以前は浄瑠璃寺の副住職を勤めておりました。

  2. 2015(平成27)年の年末から翌2016(平成28)年の年始にかけ、村田養豚場方面から山を越えて来たと思われる10頭ほどの犬が、特に早朝当山境内に侵入していたことは事実です。犬の姿が見えない時も、境内に犬の糞が落ちていたり、足跡が残っていたりしました。

  3. 2016(平成28)年の1月頃、私は、遠藤さんから当山周辺を徘徊している犬の状況を聞かれました。私は、10頭ほどの犬が境内に入り込んでいること、姿が見えないときにも糞や足跡を残して行くことなどを、遠藤さんにお話ししました。遠藤さんは、当山周辺に徘徊犬がいることを心配しておられるようで、当山に立ち寄った際、時折徘徊犬の状況を聞いていかれます。

  4. また2016(平成28)年1月29日に、山城南保健所が当山周辺で犬の捕獲を行いましたが、その際私は山城南保健所の職員に、年末年始に10頭くらいの犬が山の向こうから来て困っている旨、お伝えしました(乙52:37頁)。

  5. なお当山境内への犬の侵入は、これ以前にもたびたびありました。一例を挙げれば、私は2014(平成26)年12月1日にも、11月30日に5頭の犬が境内に現れ、境内に住み着いている猫を噛み殺したことについて、山城南保健所に相談しています。

  6. また当山境内への犬の侵入は、その後も断続的に続いています(乙52)。毎年秋から翌年の春にかけ、数頭から10頭ほどの犬が当山周辺を徘徊し、ときには境内に侵入しているのが現状です。山城南保健所に残る記録を振り返ると、2017(平成29)年10月23日、2018(平成30)年1月5日、2018(平成30)年1月30日、2018(平成30)年11月19日、2019(平成31)年1月18日、2019(平成31)年4月15日、2019(令和元)年12月17日、2019(令和元)年12月27日、2020(令和2)年3月27日、2020(令和2)年12月1日、2021(令和3)年1月7日、2021(令和3)年1月12日に、私は電話あるいは書面で、当山周辺を犬が徘徊していることについて、山城南保健所にお知らせしています。山城南保健所はその都度捕獲檻を設置したり、定期的にパトロールするなどして、徘徊犬が見られなくなるまで、数ヶ月から半年ほどにわたり対策を強化してくださっています。

  7. 最近では、2021(令和3)年1月7日に6頭の犬が境内に入ってきましたし、2021(令和3)年1月10日(祝)と11日(日)には連続して日中に5頭の犬が境内に入ってきました。1月7日に侵入した犬と1月10・11日に侵入した犬は別の犬です。このうち11日には、当山に住み着いている猫が、侵入してきた犬に襲われています。その後山城南保健所にご対応いただき、2021(令和3)年1月14日に、山城南保健所が首輪のついた犬を捕獲したと聞いています。

  8. なおこの辺りに犬を多数放し飼いにしているところは村田養豚場以外にないため、私に限らず当山周辺地域では、当山周辺にやってくる犬は村田養豚場から来ている可能性が高い犬だと認識しています。山城南保健所も同じ認識であろうと思います。

  9. おわりに
     当山には一年を通じ、老若男女問わず多くの方がお参りされます。そうした皆様がいつ来られても、安全かつ心やすらかにお参りいただける環境が保たれることは、寺を預かる身としての切実な願いです。

以上