〈村田商店代表乙〉陳述書
〈村田商店代表乙〉陳述書
第1 はじめに
私は、父〈村田商店代表乙の父〉の跡を継ぐ形で、現在、株式会社村田商店の代表取締役として、村田養豚場を経営しています。私の母、〈村田商店代表甲〉も共同代表取締役になっていますが、実質的には、母は、経営に参加していません。
以下では、本件記事の虚偽性や名誉毀損であることについて、第2で、不動産侵奪、第3で水質汚濁、第4で犬の放し飼いと公道占拠、について、述べさせて頂きます。なお、不動産侵奪については、父〈村田商店代表乙の父〉の方がよく知っていることが多いので、〈村田商店代表乙の父〉が述べる内容に付加して述べさせてもらうものです。
第2 不動産侵奪と不法掘削について
1 本件土地1のこと
(1)本件土地1の使用権原
本件土地1に関する〈村田商店代表乙の父〉と〈東鳴川C〉の確定判決に至る経緯については、〈村田商店代表乙の父〉の陳述する通りでした。
結局、平成24年4月、〈東鳴川C〉の本訴・〈村田商店代表乙の父〉の反訴ともに認められず、実質的にお互いがお互いに対して請求できないという、言わば現状維持の判決が確定したのでした。そのため、恋題は、当時の訴訟代理人弁護士からは、その委任契約の終了時に、今後〈東鳴川C〉との契約関係をどうするかについては、〈東鳴川C〉と直接話し合って決めるようにと指導されたのです。
以降は、専ら、私が、父〈村田商店代表乙の父〉に代わって、〈東鳴川C〉と話し合いをすることになりました。そこで、私は、確定判決後、本件土地1をこのまま賃貸し続けるのか、あるいは、私どもの方に売り渡してくれるのか、〈東鳴川C〉に打診しました。
これに対して、当初、〈東鳴川C〉は、売り渡しの意向はあるが、本件訴訟の控訴審費用の借入及び〈東鳴川C〉居宅の外壁の修理工事費用の支払いのため、本件土地1に建設会社の担保が付けられたので(甲3の1)、売却ができないから暫く待ってほしいと言いました。それで、私は、しばらく待つことにしたのです。
その後、平成25年10月25日には、〈東鳴川C〉の言う担保は抹消されたので、私は、再三、〈東鳴川C〉に、売渡を申し入れました。しかし、それでも、その後、〈東鳴川C〉は、「考えておく」と言いながら、なかなか結論を出してくれなかったのです。
そして、平成28年ころ、私が申し入れた際、〈東鳴川C〉は「・・・実は・・・」と、私に、次のような話を打ち明けたのでした。
それは「・・実は、本件土地1については、共産党議員や〈加茂町B〉氏から、村田には本件土地を貸したり売ったりしないように責められ、『売らない、貸さない』約束の一筆を取られている。それで、売るのも、賃料取るのも躊躇しているんや」という、打ち明け話だったのです。
そして、〈東鳴川C〉は、私に対して、「・・・そんな事帯があるので、とりあえず、ねえちゃん、勝手に使っており・・」と言ったのでした。
実際、確定判決後、〈東鳴川C〉は、本件土地1を村田養豚場として使用することについて、私たちに対して、不法占拠であるとの抗議をしたことなど一度たりともなかったのです。確定判決後は、現状の使用維持が、〈東鳴川C〉と私たちの関係の前提であり、ただ、法的な関係を賃貸借のままで行くのか売買で行くのか考慮中で、ただ、共産党議員や〈加茂町B〉から決断を妨害されているという関係だったのでした。
(2)本件土地1の買受
そして、〈東鳴川C〉は、平成31年5月頃になり、漸く、本件土地1の売買について前向きに取り組んでくれるようになりました。その理由は、一つとして、被告からの本件土地1に関する問い合わせによって、もう煩わされたくない、本件土地1には関わりたくない、という気持ちが強くなったことにあるようでした。そして、もう一つは、〈東鳴川C〉が〈東鳴川C〉の弁護士に相談すると、上記「売らない、貸さない」といった書面には効力がないと言ってもらえたこと、にあるようでした。
そして、令和元年8月27日、私と〈東鳴川C〉の間で、本件土地1の売買契約が成立し、本件土地1は私の所有となりました(甲11)。
そして、売買協識の中で、賃料も一部支払うことになりました(甲12の1乃至3)。このように、今では、本件土地1については、私の所有地として当然に使用権限があるのですが、加えて、〈東鳴川C〉さんと私の間で、円満に売買がなされていることとそれまでの経過からしても、〈東鳴川C〉さんは、確定判決以降、株式会社村田商店による使用権限を認めていたことが判って頂けると思います。
2 本件土地2との境界のこと
(1)境界未確定
被告は、平成16年から平成19年ころにかけてなされた〈村田商店代表乙の父〉の山林掘削行為が、本件土地2、3を侵奪する不法掘削だと主張しています。そして、被告は、その不法掘削の根拠として、木津川市作成の「市有土地境界確定図」(甲7の3)に基づき、本件土地1と本件土地2との境界を本件記事中に掲載し、それをもって、本件土地2の侵奪を主張していたものです。
しかし、本件土地1と本件土地2との境界(=府県境界、以下、「本境界」といいます。)について、上記境界確定図は、平成30年8月10日及び同年11月28日に、木津川市管理里道の南端部分が削除され、本境界が未確定ゆえ削除修正されています。その結果が甲7号証の4の「市有土地境界確定図」です(以下「修正図」といいます、また、甲7の3の図面は「旧図」といいます)。
従って、「旧図」に基づき、原告の不動産侵等の根拠とするのは明らかな誤りです。現に、被告は、木津川市より、「旧図」の本件記事への掲載について配慮するように指示を受けているのです(甲8)。
更に言えば、「旧図」の境界線は、一直線ですが、こんな不自然な山林の境界線は絶対にあり得ません。ですので、仮に旧図の元になる、何らかの合意がなされていたとしても、それは、当事者間において、客観的資料に基づいた熟慮の上での合意ではないです。おそらく、株式会社村田商店の不動産侵奪を主張するがためだけに恣意的に合意されたに過ぎません。
山林境界は、そんな恣意的な合意で決められることはないと思います。
ですので、本件土地1及び本件土地2の境界については、いまだ、現状未確定の状態です。
本件境界確定は、あくまでも、今後、本件土地2の共同所有者と本件土地1の現所有者である私との間の境界確定訴訟において、確定されるべきものです。そして、境界確定訴訟の当事者は、本件土地2の共同所有者と私以外の者にはなく、被告には、本件境界を語る資格がないと思います。
(2)被告の境界の主張
ちなみに、被告は、航空写真・公図・古図を重ね合わせるなどして、原告の境界越境行為が明らかであるなどと主張しています。
しかし、不動産の専門家や行政の意見からすれば、山林は、土地に高低差があるので、公図や古図などの土地の広さの表示については信用できないということです。ですので、それらの重ね図を示して、境界の主張をするのは間違っていると思います。
これに対して、専門家からは、山林境界においては、その占有、管理状況が、境界確定の重要な資料になるという意見を頂きました。
ところが、被告の作成した重ね図は、現実の占有状況と全く異なります。たとえば、乙88の5において、「636向井」と茨示されている土地の西端(左端)に撮影されている建物は、本来、「637辻本」土地上の建物です。また、「637辻本」と表示されている土地の中央に位置している建物は、本来、「639新開」土地上の建物です。また、「639新開」と表示されている土地の西端と「631-2今中」と表示されている土地の東端にかかって撮影されている建物は、本来、「631-1今中」土地上に存する建物です。
このように、被告の作成した重ね図と現実の占有状況には、明らか食い違っているのです。その理由は、公図、古図の土地の広さの表示の不正確であるということとともに、被告の重ね方の角度にも問題があるからだと思います。
ですので、被告の境界の主張は、現状の占有関係を無視した一方的な主張なのです。
3 法的手続の欠如
以上のように、本件境界は不明確であって、いまだ確定していないのです。ですので、境界がどこかを明確にさせるなら、〈加茂町B〉氏らが、直接、堂々と、私に対して、境界確定訴訟を提起するべきです。
その結果、決まった境界には、私は、必ず従います。
それなのに、境界の当事者である〈加茂町B〉氏らは、何ら境界確定の法的手続きをとろうとしません。
それは、被告の主張する「一直線の境界」など、山林の境界として認められないことが判っておられるからに他なりません。そして、真実の境界は、机上の不正確な重ね図だけで到底確定できず、隣接地の占有状況や山林の来歴、山相調査などの実地調査が不可欠であることを承知しておられるからです。
加えて、〈加茂町B〉氏らの〈村田商店代表乙の父〉に対する不動産侵奪罪の告訴結果が、不起訴になったのです。そして、〈加茂町B〉氏らは、不動産侵等の民事上の損害賠償請求権も行使せず、もう時効消滅しているのです。
不動産侵奪、不法掘削というなら、当事者によって、法的請求をするべきです。しかし、当事者は、刑事告訴が不起訴処分となり、民事賠償請求は時効消滅し、そして、根本的な境界確定訴訟も提起しません。
〈加茂町B〉氏らは、法的手続きに失敗し、そのうえで、もう法的手続きを提起しようとしないのです。
それなのに、当事者でない被告が、不動産侵奪、不法掘削を主張することは、許されないと思います。
第3 赤田川下流の水質汚濁について
1 本件記事 FACT. 4 における摘示内容について
被告は、本件記事 FACT. 4 において、赤田川下流の水質汚濁について言及し、その原因が村田養豚場である、と受け取られるような内容を記載しています。
被告は、原因が村田養豚場であると断定はしていない、旨反論しますが、本件記事中における記載ぶりからすれば、本件記事を読む一般人の感覚からして、明らかに村田養豚場が原因であると捉えられてしまうものです。
しかし、かかる摘示内容については、以下で述べるとおり、虚偽の事実を記載しているものといわざるを得ません。
2 村田養豚場は、法律上の排水基準を満たしていること
(1)本裁判でもすでに主張しているとおり、村田養豚場は、水質汚濁防止法上の排水基準を満たしており、そのことからすれば当然のことですが、水質汚濁防止法の所管である奈良市より、行政法上の指導などを受けたことはありません。
(2)被告は、村田養豚場の事業規模からして、生活環境項目にかかる排水基準については規制を受けておらず、村田養豚場が水質汚濁防止法上の排水基準を満たしていることは、村田養豚場が赤田川下流の水質汚濁の原因者でないことを保証しない旨も主張しています。
しかし、そもそも、法律において、規制対象となっていないということは、村田養豚場の事業規模(具体的にいえば1日当たりの平均排水量が50立方メートル未満、甲14別添2表2参照)からして、規制の必要性がない、との判断によるものであって、法律上の排水基準は避守している上でなお、赤田川下流の水質汚濁の原因者であると論難されるいわれはないはずです。
3 本件記事において原告以外が汚濁原因である可能性についての指摘がほとんどないこと
(1)本裁判でも指摘はしていますが、村田養豚場の上流には不法に造られ現在は閉鎖された廃棄物処分場があり、村田養豚場の下流には、本件記事が掲載される平成28年6月よりも前である、平成27年頃から開閉をしなくなった砂防ダムも存在しています。砂防ダムについては、開閉がされなくなり、水が流れなくなって以降、微生物では分解しきれない栄養量となり、水が腐るといった問題も起こっていたものであり、赤田川の水質汚濁については、これらの施設が原因であるという可能性も十分に考えられるにもかかわらず、本件記事においては、これらの施設が原因であるという可能性についての指摘はほとんどなく、村田養豚場が原因であると読者に与えるような内容ばかりです。
これは、養豚場という性質上、排水(法律上の基準を遵守していることは前述のとおりです)やにおいはある程度は発生するものであるところ、被告が村田養豚場を目の敵にし、苛烈に論難しているものとしか考えられません。
4 木津川市赤田川水質汚濁状況調査(乙15)について
(1)被告は、木津川市赤田川水質汚濁状況調査(乙15)を、村田養豚場が赤田川水質汚濁の原因者である根拠として提示しているようでありますが、同調査によって、村田養豚場が赤田川水質汚濁の原因者であるとされるものではありません。
(2)乙15について、参考資料2をみると、被告が指摘するBODやCODについての検査数値は、村田養豚場近辺の地点よりも、より離れた地点においてその数値が高くなっていることも散見され、また村田養豚場より上流に位置する採取地点「奈良」においての方がその数値が高い場合もあります(乙15参考資料2「BOD 5/30」参照)。
乙15においては、そのことについて、「河川への汚濁成分の流入が短時間に集中していると考えられる」様なケースでは、通常の水質調査では汚濁状況を十分把握することが困難である旨記載されています(乙15、25頁「5.2. 汚濁原因の考察(1)赤田川の汚濁原因について」)。
これは、村田養豚場における排水が、短時間に集中して行われているという前提がある上で初めて本件において意味のある説明であると思われますが、村田養豚場において、排水を短時間に集中して行なっているという事実はありません。
したがって、乙15から、村田養豚場が赤田川の水質汚濁の原因者であるということ、ないし、その可能性が高いということはいえないと考えます。
(3)また、乙15については、作成されたのは平成29年11月であり、被告が本件記事をインターネット上に記載した平成28年6月よりも後の時点であることから、乙15の存在をもって、被告が本件記事掲載時に、「村田養豚場が赤田川下流の水質汚濁の原因者である」ということを信じるにつき正当な理由があった、という根拠とはならないと思います。
5 原告の排水に対する取組みについて
(1) 本訴訟において主張し、これまで述べてきたとおり、村田塗豚場は、法定の排水基準を避守し、適正な営業権の行使として経営をしてきたことはもちろんですが、排水を扱う事業者として、その排水をより良いものとすべく、努力をしてきました。
(2) 村田養豚場では従前、家畜のエサとして、食品残渣等を原料に製造されるエコフィードを採用していましたが、その中で、アクが出やすく、浮きやすいエサがあるということを認識していたことから、平成29年夏か秋頃、最終排水への影響も考慮し、より排水への影響が小さいエサを利用するように取り組んできました。
(3) また、村田養豚場では、排水基準は満たしているということを前提に、より排水を良いものとするため浄化設備を設置しました。
この浄化設備については、私が、設置費用、維持管理等の観点からどのような設備にしようかと検討をしていたところ、知人の農家さんから、「京都に技術を持った人がいる」という話を聞き、実際のその知人の浄化設備を私自身の目で確認し、村田養豚場にも同じ浄化設備を設置しようと決意したものです。
そして、平成29年9月25日付で、奈良県を通じ、京都府農林水産技術センターに汚水処理技術の指導協力を依頼し(甲17)、派遣された技術者の方に図面等を作成していただいた上で、令和元年10月にはほぼ完成、という運びとなりました。
6 小括
(1)以上のとおり、村田養豚場が赤田川下流の水質汚濁の原因者である、ということについては、真実であるとは到底いえないものであり、そのような内容を摘示する本件記事は、村田養豚場の社会的評価を著しく低下させるものであることは明らかです。
(2)また、村田養豚場は、これまで可能な限り排水に対する努力をしてきたにもかかわらず、被告よりこのような苛烈な攻撃を続けられることは大変遺憾であります。
第4 犬の放し飼いと公道の占拠について
1 犬の放し飼いについて
(1)村田養豚場周辺を徘徊する犬について
本件記事 FACT. 2 によれば、村田養豚場では犬を50匹以上放し飼いにしており、放し飼いにされた犬が10匹単位で、浄瑠璃寺に出没し、糞尿被害等をもたらしている、ということが指摘されていますが、かかる内容も真実ではありません。
そもそも、村田養豚場で飼育している犬は、20〜30匹程度であり、飼育している犬には首輪が付けられています。また、基本的には村田養豚場で飼育している犬は、艦の中で飼養しており、野生の豚やイノシシが養豚場内に侵入することを防ぐため、一部を養豚場敷地内に放すことはあるものの、飼育している全ての犬を放し飼いにしているという事実はなく、原告が違法に犬を放し飼いにしているという事実は真実ではありません。
(2)浄瑠璃寺に出没するという犬について
被告は、浄瑠璃寺周辺に10匹単位で出没するという犬について、村田養豚場で飼育している犬であると指摘をしますが、このような摘示も事実ではありません。浄瑠璃寺で出没する人が村田養豚場が飼育する犬であるという根拠はなく、浄瑠璃寺周辺に出没する犬は、野犬であるという可能性が極めて高いと思われます。
被告が徘徊犬の写真として提示する乙55号証についても、浄瑠璃寺周辺であるC地点、D地点における犬は、いずれも村田養豚場が飼育している犬ではありません。
また、被告は、村田養豚場付近で平成26年以降捕獲された100頭以上の野犬のうち、21頭が原告に返還され、原告に返還されなかった犬は処分された旨主張していますが、かかる事実は、出没するという犬の大部分が村田養豚場が飼育していない野犬であるという事実を示しています。
このことからすれば、浄瑠璃寺周辺に出没するという犬が村田養豚場の飼育する犬であるという根拠がないにもかかわらず、そのように断定する本件記事は虚偽事実の記載であるといわざるを得ません。
2 原告が公道の通行者を恫喝しているという事実について
(1)原告において、養豚場の敷地内を通る公道を通行しようとする者を恫喝し、その通行を妨げたことは一度もありません。むしろ、目的地までの道がわからないという観光客と思われる方に道を教えたり、車で送ってあげたり、ということは何度かありました。
(2)原告が、公道を通行しようとする人に声をかけたことはありました。それは、今となっては被告本人ないしその関係者と思われる人に声をかけていた、ということです。というのも、本件記事が公開されるよりも前である平成27年5月には、SNSサービス上に、村田養豚場の名前を出した上で、本件記事と類似する内容の情報が発信されていました。
私を始め、原告としては、このような記事が拡散されてしまうことは養豚場にとって極めて不名誉であり、社会的評価の低下は養豚場の経営にも関わるものであることから、これ以上虚偽の記事が掲載されないように警戒をしていました。
そのような中で、明らかに養豚場の周辺をうろつき、養豚場について何か情報を探ろうとしている動きのある人に対しては、「何をしているのか」と声をかけたことはありました。このような人は、純粋に目的地を目指して通行しようとしている観光客とは明らかに挙動が異なり、その差は一目瞭然です。
このような経緯で、私や〈村田商店代表乙の父〉が、公道周辺の人に声をかけたということはありましたが、これは、被告が主張するような通行人を恫喝していた、ということとは全く次元の異なるものです。
(3)また、本件記事においては、養豚場敷地内の公道を通行しようとした人の証言等もあげられていますが、これらには全く信憑性はありません。例えば、本件記事において「京都市からの観光客」としてあげられている人物については、初めてこの公道を通行しようとした人物かのように記載されていますが、その人物の証言として「今回は郷ポークを話題にしても効果無しでした(笑)」というような記載がされており、初めて通行しようとした人物ではないことは明らかです。その他の証言についても、境界確定のことについて触れるなど、観光客等であるとは思われない記述がほとんどであり、被告やその関係者による自作自演であるとしか考えられません。
以上のとおり、原告において、養豚場敷地内を通る公道を通行しようとした人を恫喝していた、という事実は全くの虚偽であり、被告が、村田養豚場の評価を低下させるため自作自演をしているものであると考えられます。
2 原告による公道の不法占拠について
(1)本件記事 FACT. 3 によれば、村田養豚場において、敷地内の里道において常に(日常的に)重機やトラックを往来させ、また、従業員が残飯の仕分け等の作業を常に(日常的に)行っており、公道を不法占拠している旨が記識されていますが、かかる記載も真実ではありません。
(2) 村田養豚場において、飼料等の積み下ろし作業のために、トラック等を停止させることはありますが、その時間は午前8時30分から午前9時30分、午後0時30分から午後1時30分の間にそれぞれ1回、時間にして10分程度です。
業者の都合により、作業の時間帯がずれることはありますが、いずれにしても、作業にかかる時間は10分程度であることに変わりはありません。
したがって、このような作業態様が、公道を常に(日常的に)占拠し、不法占拠していると評価されるものではないと思います。
また、原告が里道管理者である奈良市、市道管理者である木津川市いずれからも、公道の占用許可を得る必要がある旨の指導を受けたことはありません。それはそもそも、里道の位置も市道の位置も確定されていないからということです。そうとすれば、一体何をもって公道を占拠していることになるのでしょうか。その根拠さえも不明ということになります。
(3) そして、原告が不法に占拠していると被告が主張する里道については、私が現地を知るようになった平成18年頃から今まで、せいぜい年に2、3組程度の浄瑠璃寺方面への散策客が通行する程度しか利用されていませんでした。
浄瑠璃寺への参拝客はほとんど、木津川市側の府道752号線からアクセスし、本件里道を通行しようとする観光客のほとんどは、道に迷い、養豚場従業員に道を尋ねてきました。その都度、従業員は、バス停まで案内してあげています。
また、原告は、長年この場所で養豚場を経営していますが、この里道を生活道路として、徒歩、自動車、バイク等々で地元住民が通行している様子を見たことはありません。地元の住民に聞いてみても、この道路を生活道路として利用しているという話は聞いたことがありません。
(4)前述のような、原告による里道の利用状況、及びその他里道がどの程度利用されているかということに照らして考えると、原告が本件里道を不法に占拠しているなどと評価されることはないと思います。
第5 まとめ
以上からすれば、本件記事に記載されている原告を論難する内容は、事実ではなく、原告の社会的評価を著しく低下させるものですので、被告による名誉毀損にあたることは明らかであります。
現に、原告がこのような紛争となっていることから、養豚場を退職したいという従業員も出てきているところであり、本件記事による原告の損失は大きいです。
ですので、速やかな記事の削除と、被告による損害賠償を求めます。