訴えの変更申立書
2021年9月30日提出
原 告 株式会社村田商店
被 告 遠藤 千尋
訴えの変更申立書
御庁頭書事件につき,以下のとおり訴えを変更する。
第1 請求の趣旨
<主位的請求>
- 被告は,原告に対し,被告がインターネット上に掲載した,「奈良ブランド豚肉『郷 Pork(郷ポーク)』について知るべきこと」という表題の記事 (URL: https://goporkfacts.com/index.html) を削除せよ
- 被告は,原告に対し,110万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで,年5分の割合による金員を支払え
- 訴訟費用は,被告の負担とする
との判決並びに第2項につき仮執行の宣言を求める。
<予備的請求>
- 被告は,原告に対し,被告がインターネット上に掲載した,「奈良ブランド豚肉『郷 Pork(郷ポーク)』について知るべきこと」という表題の記事 (URL: https://goporkfacts.com/index.html)中,別紙記事目録記載部分を削除せよ
- 被告は,原告に対し,110万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで,年5分の割合による金員を支払え
- 訴訟費用は,被告の負担とする
との判決並びに第2項につき仮執行の宣言を求める。
第2 請求の原因
1 主位的請求について
(1) 記事削除請求について
本訴訟において従前主張を尽くしてきたとおり,被告がインターネット上に掲載した記事には,虚偽事実の記載がされており,当該虚偽事実の記載は,原告の社会的評価を著しく低下させるものである。
そして,本件記事については,個々の記事内容にとどまらず,記事全体として,あたかも原告が違法行為や不法行為を行っているものであるかのような印象を一般読者に与える構成となっているものであり,個別の記事削除をもってしては,本件記事の持つ名誉棄損性を払拭することはできないものである。
また,被告は,本訴訟係属中に本件記事の内容の修正を重ねているようであるが,原告第5準備書面に記載しているとおり,同修正によっても,本件記事の重要部分及びその趣旨に変更はないため,なお,原告に対する名誉棄損を構成するものである。
(2) 損害賠償請求について
原告は,被告による本件記事の掲載により,社会的信用を毀損され,名誉権の侵害を受けている。名誉権侵害に基づく無形の損害としては100万円を下らない。また,本件にかかる弁護士費用は,10万円が相当である。
(3) よって,原告は,被告に対し,名誉権侵害に基づき,名誉回復のための処分として本件記事の削除及び不法行為に基づく損害賠償請求権として,請求の趣旨記載の金員の支払いを求める。
2 予備的請求について
(1) 記事削除請求について
原告は,本訴訟における争点整理段階において,本件記事中特に,名誉棄損が明らかな記事について,指摘をしてきた。
仮に,記事全体についての削除請求が認容されないとしても,明らかな虚偽事実の適示であり,原告の社会的信用を著しく低下させる,別紙記事目録記載の記事については,その削除が認められるべきである。
(2) 損害賠償請求について
損害賠償請求については,主位的請求と同様である。
(3) よって,原告は,被告に対し,名誉権侵害に基づき,名誉回復のための処分として本件記事の別紙記事目録記載部分についての削除及び不法行為に基づく損害賠償請求権として,請求の趣旨記載の金員の支払いを求める。
記事目録
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「この奈良ブランド豚を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)は,2003年頃他人の山林を,所有者の抗議にも拘わらず掘削し,その後も数十匹の犬を放し飼いにしたり通行人を制止・恫喝するなどして,無断掘削した他人地と敷地周辺の公道を実質的に占拠し続けています。」(1頁本文2行目〜5行目)
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「これら村田養豚場(村田畜産/村田商店)による不法行為や迷惑行為」(1項本文6行目〜2頁1行目)。
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「山林無断掘削 他人地占有」(3頁表題)
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「村田養豚場(村田畜産/村田商店)は,2003年頃他人の山林を所有者の抗議にも拘わらず掘削し,その後も無断掘削した他人地を実質的に占拠し続けています。」(4頁本文1行目〜3行目)
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「2003年頃,奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村 田畜産/村田商店)は,赤田川北側の他人の山林を無断で削る事件を起こしました。村田養豚場の敷地は上図のようになっており,削られた山林は すべて他人の土地です。」(5頁本文1行目〜3行目)
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「このうち東鳴川のCさんの先代が,村田氏(当時の農場主=現村田商店代表の父)にこの山林を賃貸していました。両方の先代(先々代)がほぼ同時期に亡くなった後,当時の農場主(現村田商店代表の父)が「どのように使ってもいいという約束で先代から借りた」として,借りている山林を削り始めたのです。この件は裁判になっていますが,その裁判では、 前述した山林賃貸の土地賃貸借契約書に,特約事項として「目的として,畜産業をいたします」と規定されていることが認められ,裁判所の判断と して,山林掘削工事も賃貸借契約の内容に含まれていたとされました。正直なところ,この裁判の一連の判決は,一般人にはあまりすっきりと理解できないものです。」(5頁本文4行目〜12行目)
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「当会代表が2015年秋頃に聞き取った東鳴川Cさんの証言によると,2009年には,村田氏と東鳴川のCさんとの山林賃貸契約はどのような解釈によっても解消しています」(11頁本文7行目〜9行目)
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「京都府木津川市側のAさんBさんは完全に巻き添えで山林を破壊され」(5頁本文13行目〜15行目)
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「2005年AさんBさんらは村田養豚場(村田畜産/村田商店)を刑事告訴しました」(6頁本文3行目)
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「村田養豚場(村田畜産/村田商店)が,削りとった他人地で野焼きを繰り返し,農場主が現行犯逮捕されています」(5頁本文18行目〜6頁本文1行目)
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「しかし、AさんBさんらによる刑事告訴は,なぜか不起訴に終わりました。検察からは「けが人や死人が出たわけではないから」と言われたそうです。また,木津川市の平成20年第1回定例会において,当時の市議が報告していますが,関係者の方が検察に電話で問い合わせたところ,検察は,今回は不起訴の中でも起訴猶予だと説明したとのことです。」(6頁6行目〜10行目)
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「村田養豚場は,一時は50匹以上の犬を放し飼いにし,通行人を恫喝するなどして,長年にわたり公道を占拠し続けてきました。近年では,村田養豚場が放し飼いにしている犬が10匹単位で,隣接する観光地である木津川市浄瑠璃寺に入り込む事態となっています。」(16頁本文1行目〜6行目)
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「奈良県農林部畜産課はこれを今なお容認しており,公道の占拠にも理由を見つけてはお墨付きを与えようと蠢いています。奈良県農林部畜産課は自ら,村田養豚場の不法行為に加担しています。」(16頁本文6行目〜9行目)
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17頁図
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「ざっと数えただけでも50匹以上,山林に隠れている犬を含めればおそらくもっと多くの犬が,村田養豚場周辺を徘徊していました。下写真は2016年1月に村田養豚場の間を抜ける公道で撮影したものです。」(17頁5行目〜7行目及び18頁写真部分)
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「放し飼いにしている犬は,浄瑠璃寺でも頻繁に目撃されています。」(20頁1行目〜2行目及び21頁〜22頁引用部分)
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「2015年の末ごろからは,村田養豚場が放し飼いにしている犬が,10匹単位で早朝の浄瑠璃寺に現われるようになり,姿が見えない時も境内に多数の糞を残して行くため,浄瑠璃寺が非常に困る事態となっていました。下写真は2016年4月5日に執り行われた浄瑠璃寺の前住職葬儀の最中に現われた犬です。」(22頁1行目〜23頁2行目及び23頁写真)
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「村田養豚場は,2012年ごろから,通行人を含め、あらゆるじゃまものを衛生管理区域を理由に遠ざけてきました。」(31頁13行目〜15行目)
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「ところが村田養豚場は,この道は私道であるから通ってはならないと,しばしば通行人を脅しています。」(36頁10行目〜11行目)
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「下記は2015年11月ごろに,村田養豚場の間を抜ける里道を通行しようとした方の証言(一部抜粋)です。・・・しかしよく平気で嘘がつ けるものだと感心しています。」(37頁1行目〜2行目及び37頁〜38頁証言引用部分)
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「奈良県家畜保健衛生所の職員は,村田養豚場を指導した際,木津川市に対し「私道だから通れないと言え」と要求され,それをそのまま木津川市に伝えたのです。」(38頁5行目〜7行目)
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「しかも奈良県家畜保健衛生所は,木津川市に違法性が高い指導方針を回答するだけでなく,実際に職員が村田養豚場による通行妨害に協力して います。下記は2015年11月4日に,当会代表が村田養豚場の北側で草刈りをした時の体験です。この体験からも,奈良県家畜保健衛生所が村田養豚場に言われるまま,公道の通行妨害に加担してきた」(39頁5行目〜9行目)
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「以前から東鳴川の人に・・・ふつうの人は通行を断念してしまうにちがいありません。」(39頁〜40頁引用部分及び40頁1行目〜3行目)
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「奈良市土木管理課は,村田養豚場(村田畜産/村田商店)により奈良市の認定市道が占拠されていることを知りながら敷地境界が画定していないことを理由にいっさい何もしようとしません。」(61頁FACT.3本文1行目〜4行目)
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「奈良市の公道である村田養豚場の敷地の間にある里道を,村田養豚場が不法に占拠している」(61頁FACT.3,5行目〜6行目)
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「厳然たる事実として,村田養豚場では今や日常的に公道が作業場となっており,公道の不法占拠が続いています。」(64頁1行目〜2行目)
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「日中頻繁に重機やトラックが公道上を右往左往し,公道の真ん中で従業員が豚の餌となる残飯の仕分けなどを行っています。」(65頁左上部写真及び文章)
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「残飯の扱いがずさんなため,この付近ではカラスが大量に繁殖し,近隣の田畑を荒らしています。」(65頁右下部写真及び1行目〜3行目)
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「つまり,公道であるはずの里道が敷地の一部にしか見えない状況ということです。それも,長年親しまれたバス停名を変えなければならないほどの状況です。このような状況を公道の占拠と言わずに何と言うのでしょうか。違法な公道占拠が放置されていることを示す重要な証言です。」(78頁13行目〜79頁1行目)
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「村田養豚場(村田畜産/村田商店)下流の水質汚濁が長年にわたり問題視されてきました。」(2頁3行目〜4行目)
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「赤田川下流の水質汚濁」(81頁FACT.4標題)
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「村田養豚場(村田畜産/村田商店)からの排水が,下流に著しい水質汚濁をもたらしている可能性について,長年にわたり何度も議論されています」(82頁1行目〜5行目)
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「赤田川の地権者(Aさん)によると,養豚場の少し下流の山林の持ち主が,しいたけ栽培のため川からポンプで水を汲み上げていたが,糞尿ですぐポンプが詰まるとぼやいていた」(87頁1行目〜3行目)
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「砂防ダムより上流であるためか,渓流にある水たまりにも,どろりとした茶色いヘドロがたまっています。撮影した人によると,谷にただよう滝しぶきが乾いて,葉っぱやあたり一面白い粉をふいていたとのことです。撮影した人は、帰宅後熱が出ました」(87頁5行目〜8行目)
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「こうした水質汚濁の原因として,木津川市議会で長年議論されている場所のひとつが,奈良ブランド豚「郷Pork」を生産する村田養豚場(村田畜産/村田商店)です」(88頁1行目〜3行目)
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「村田養豚場より下流の赤田川に限って糞尿あるいはどぶ川のような臭いが酷いという現実があります。2016年から2017年にかけては,特に日暮れごろ臭くなるといわれていました。谷の上の尾根道まで臭いが漂ってくることもしばしばで,外にいる人が少なくなる時間を見計らって,夜に汚水が流されているのではと噂されていました。」(88頁4行目〜8行目)