乙第1号証

御通知書

冠省 当職らは、奈良市東鳴川町630、株式会社村田商店(以下「通知会社」という)の代理人として、貴殿に対して、次の通り御通知致します。

さて、「村田養豚場から赤田川と周辺環境を守る有志の会」という団体(以下「当団体」という)が、インターネット上において「奈良ブランド豚肉『郷Pork(郷ポーク)』について知るべきこと」と題する、通知会社経営の村田養豚場に関する記事(以下「本件記事」という。)を掲載しています。

本件記事の内容は、通知会社の経営する村田養豚場(以下「村田養豚場」という。)が、①他人所有地を侵奪している ②公道を違法占拠している ③犬を違法に放し飼いにしている ④村田養豚場からの排水によって赤田川下流の水質汚濁を発生させているなど、通知人の社会的信用を著しく毀損する内容になっています。

しかしながら、かかる内容は、以下のとおり、いずれも根拠のないものです。

① 他人所有地の侵奪

平成30年8月10日及び同年11月8日に、木津川市作成の土地境界確定図の修正がなされており、その内容は、木津川市管理里道の南端部分が削除され、京都府側の木津川市加茂町西小長尾2と奈良県側の奈良市東鳴川502の民民界(=府県境界、以下「本境界」という)が未確定ゆえ削除されたというものです。

しかるに、本件記事は、削除された本件境界を航空写真上に図示したうえ、それを根拠に、通知会社が他人所有地を侵奪していると記載するものであって、明らかに虚偽事実の記載と言わねばなりません。

事実は、村田養豚場は、木津川市加茂町西小長尾2土地を含まないので、同土地を侵奪しておりません。また、奈良市東鳴川502土地の所有地については、所有者との間で裁判紛争とはなったものの、結論的には、養豚場使用の正当性が認められたので、侵奪の事実はございません。

従って、通知会社が他人所有地を侵奪していると記載した本件記事は、虚偽事実を記載した記事であると言わなければなりません。

② 公道の違法占拠。

村田養豚場が平成23年に、家畜伝染予防法に基づく衛生管理区域に指定され、村田養豚場に隣接する里道を含めて、奈良県が立入禁止の看板を立てさせたことがありましたが、それは、平成28年には撤去されています。

しかし、以降も、村田養豚場に隣接する里道を通行する人はほとんどおらず、管理者である奈良市及び木津川市の里道の管理が行き届かずに放置されたため、現在では、通行できる状態ではなくなっています。

以上の経緯から、公道(里道)が通行できなくなっているとしても、それは、奈良県や、奈良市及び木津川市の責任であって、通知会社の責任ではありません。

従って、通知会社が公道を違法占拠していると記載した本件記事は、虚偽事実を記載した記事と言わればなりません。

③ 犬の違法な放し飼い

通知会社は、犬を違法に放し飼いしておらず、檻の中で飼育しているものです。ただ、通知会社は、養豚場の飼育豚を野生の猪から守り、豚コレラ等の蔓延を防止するため、犬の使用によって猪を駆逐する必要があります。そのような犬の使用については、畜産業者として、奈良県や京都府の畜産課から認められているものです。

従って、通知会社が犬を違法に放し飼いしていると記載した本件記事は、虚偽事実を記載した記事と言わねばなりません。

④ 赤田川下流の水質汚濁

通知会社が、奈良市や木津川市から養豚場排水の水質検査をされたことは何度かありますが、その際、規制値を超える結果が出たことはなく、具体的な指摘を受け、放流に関する是正を求められたことはこれまで一度もありません。

従って、あたかも村田養豚場が水質汚濁の原因を作出しているかのように記載する本件記事は、根拠がなく、虚偽の事実を記載した記事と言わばなりません。

以上、4点について記載した本件記事は、いずれも、虚偽の事実を記載する記事であり、当団体が、本件記事をインタ-ネット公然と流布していることは、通知会社の社会的信用を著しく毀損することに加え、通知会社の養豚場経営に対する甚だしい業務妨害となるものです。

そして、通知会社は、平成28年夏頃、当団体を捜査した警察官から、当団体の代表であり、本件記事の執筆責任者は、貴殿であると聞くに至りました。

従って、通知会社は、貴殿に対して、本件記事の速やかなる削除を求めるとともに、名誉棄損及び営業妨害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権を行使する所存です。

貴殿は、まず、本通知書到達後2週間以内に、本件記事を全て削除してください。

ところで、木津川市は、平成30年11月28日、上記① の記事につき、修正される前の間違えた境界確定図の削除を既に当団体に指導しているという事実が存するとうかがえます。

そのことも踏まえれば、上記期限内に、本記事を削除されないならば、貴殿の違法性は一層強くなることを申し添えてておきます。

なお、本通知書に対して、貴殿のご意見がありになるなら、上記期限内に当職ら宛てにてご回答ください。以上、御通知いたします。

平成31年3月1日
村田商店 代理人弁護士

遠藤 千尋 殿